リレーコラムについて

30年前の時計、動き出す。

吉永淳

1カ月前、段ボール箱につめ込んでいたガラクタを
覗いていたら、中学3年の卒業の時に買ってもらった
腕時計が出てきました。セイコーロードマチック。
秒針も止まっていて、捨ててもいいかと思った瞬間、
持った手の動きに反応して動き始めました。

オートマチックの時計ってしぶといです。

こいつも実家に帰りたがっているような気がして、
銀座の和光に修理に出してあげました。修理代の
見積書は24,000円。和光の美しい店員さんからすすめられた
ベルトは25,000円。当時23,000円だったロードマチックくんは、
ワイドショーの変身コーナーに出演したお父さんのように、
1カ月後の昨日、12月20日に私の手元に帰ってきました。
新しい黒い革のベルトを着て、ガラスを交換し、
精一杯磨いてもらって、とても恥ずかしそうです。
「防水性能は少し落ちているので、水には注意してください」
と修理係の人に言われたので、大事にしてやろうと思っています。

21世紀まであと10日。いよいよカウントダウンが
始まりました。年賀状はまだ書いてないし、仕事は
2つの再プレゼンが決まったし。あわただしく過ぎてゆく
毎日を、カチカチ動く25石の腕時計と一緒に
暮らそうと思っています。

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