リレーコラムについて

プレゼン前夜

渡辺潤平

今夜は、某広告会社の会議室でこのコラムを書いています。
明日は大きな競合プレゼン。その準備で、昼から缶詰状態です。
さっきまで、この大きな会議室には
ピリッとした緊張感が漂っていました。
今は、各人が自分のパートの修正作業に入っているため、
僕は一人、息抜き半分な気持ちで、この原稿に向かっています。

思えば、プレゼンに臨むスタイルも、
ここ数年で大きく変わってきた気がします。
僕が若い頃は(今も若いつもりですが…)、
もっと専門領域が明確だったというか、もっと閉鎖的だったというか。
クリエイティブはクリエイティブ、マーケはマーケ、
プロモーションはプロモーションというように、
それぞれが自分の領域に特化して、直前で一気にそれをまとめあげるのが
大半の仕事のやり方だったような記憶があります。

だけど、今はそんなやり方じゃ通用しない。そんな気がします。

もっと横断的に、もっと有機的に、
お互いの領域を越えて新しいモノを生み出す。
あらゆる職種の人と、自分の専門性を武器に、ガチンコで渡り合う。
そんなことを強烈に求められる局面が、格段に多くなりました。
毎日がすごく刺激で、新鮮です。
一方で、とてつもない脅威も感じます。
これまでは、根っことなる大きな価値=スローガンは、
僕たちコピーライターの手によって生み出されるものでした。
だけど、今は誰がそれを生み出してもいい。そんな時代です。
肩書よりも、その人の能力がシビアに試されます。
ライバルは、TCCとはあまり関係のない方向から
やってくることが増えたことも実感します。

広告はもはや、異種格闘技戦なのかもしれない。
その中で戦っていく技と覚悟を、
これからもっともっと磨いていきたいです。

ここまで書いて、呼び出しの電話が鳴りました。
ビデオコンテの編集に行ってまいります。

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