リレーコラムについて

「3億円強奪コピーライター」

笠井剛

新人賞をとったら自然と書くことになるシステムだとばかり思っていた、
リレーコラムを待ちつづけて、はや半年。
いろんな人に「つぎ、指名してください!」
的なことを言ったり言わなかったりしつつも、
数百人いる会員数を前に
「もしかしたら俺なんて一生、順番が回ってこないのでは?」と、
半ばあきらめ、うつ伏せ寝で枕をぬらす、そんな夜もありました。

意外と早い出番に驚きつつ、
織田裕二ばりに、いますぐ目薬をさして叫びたいです。

しかもいま書いていて気づいたんですが、今日は僕の誕生日なんですよ。
満34歳になってしまいました。
アラサーに「?」のつく年齢になっちまい、ちっともうれしくないはずなのに、
リレーコラムとかぶるとこんなにうれしいなんて。
ビバ・リレーコラム・マジック!

というわけで、みなさんはじめまして。
リクルートメディアコミュニケーションズの笠井剛(かさいごう)と申します。
これから一週間、リアルなアラサー(?)ワールドをお楽しみいただければ幸甚です。

いきなりですが、私は理系です。
しかも、学生時代は一留したうえに就活しませんでした。
最初に入った会社はネットベンチャーです。
それ以来、29歳までネット業界にいました。

何が言いたいかというと、
「コピーライターはまったくバックボーンみたいなものがなくてもなれる」
ということです。
「そうだ、コピーライターになろう」
です。

とはいえ、いまこの景況下でそんな求人がないよ、という方もいらっしゃると思います。
でも、ならぜんぜん違う別の会社に入ったっていいんじゃないか、と思うのです。
なぜならコピーライターはセンスよりも何よりも、
「人生経験」がモノをいう仕事ではないかと思うからです。

世の中すべてのコピーライターが、コピーライターの人生経験だけしかなかったら、
きっと世の中は似たり寄ったりのつまらないコピーで埋め尽くされる、と思いませんか。

「歌って踊れるコピーライター」
「芥川賞コピーライター」
「ヤメ検コピーライター」
「宇宙飛行士コピーライター」
「3億円強奪コピーライター」
「ハリウッドセレブコピーライター」
「住職コピーライター」
「味将軍コピーライター」

とか、いてもいいと思うんですよ。

要は、何か文章を書いたり宣伝会議賞とかに応募したりとかいったことは、
たとえどこで何をやっていてもできると思うんです。
むしろ、「いま自分にしかできない経験」を積み重ねつつ、
虎視眈々とチャンスをねらう。
やがてそれが自分だけのオリジナルなバックボーンとなり、
そこからひり出したアウトプットが、この世界をちょっと変える。

コピーライターじゃないですが、
宮崎駿が「ナウシカ」をつくったのは40過ぎのおっさんになってから。
それまでまったく監督として評価されず辛酸を舐めつづけてきたからこそ、
あの爆発力があったと思うんです。

さて、こんなエラソーなことを書いているのは、
実は自分自身にこそ、言い聞かせておきたいことだから。

「あー、辛酸舐めたい。舐めなきゃだめだ」

「でも辛いのはいやだ……。むしろ、舐められたい」

「腹が減ったから、とりあえずラーメン二郎に行こう」

「もう眠たいから、テレ東のおねマス見て寝よ」

――毎日そんなことの繰り返しです。
ああ、こんな人生でいいんだろうか……。
そして、こんなことを延々と書いている誕生日でいいんだろうか……。

というわけで、まずは一日目ありがとうございました。
今週のウィークデーはなぜか5連チャンで飲み会なので、
今日をふくめしどろもどろな文章になってしまうこと請け合いですが、
のこり4日も何卒よろしくお願い申しあげます。

「下ネタやって!」
とリクエストがあったので、
明日は下ネタでがんばりたいと思います。

おやすみなさい。

NO
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