リレーコラムについて

オシャレ・マフラー・首(2000)

小島曜

萩原さんのコンテを見てるとため息が出るわけ。だってオシャレなんだもん。
僕は激しく非オシャレ界に生きてきたから会社に入ってネクタイをしない
部署に配属されてから、私服=会社にいる時の服になったんだけど、当時の
僕が普段着ていた服は高校生の時に着てた服のまんまなんだよね。ぶっちゃけ
自分で自分の服を買うようになったのは2000年を超えてからっていうか、
20世紀の僕はホントに服とか全然どうでも良くて、こだわりと言えばブリーフ
よりトランクスが好き、ってなぐらい。

いるでしょ、ほら、服は母親が買ってきたものをテキトーに着てます的な
ファッションノンポリっていうか、ファッションロハス的な自然派。
博報堂にはロウカジって言葉があって、これは「浪人生カジュアル」の略
なんだけど、1999年から2000年ぐらいにかけて、僕はロウカジの教祖的な
ポジションを獲得しててさ、会社でみんなクスクス笑うわけ、僕の服を。
「何そのセーター、どこで買ったの」的な。「ですけど!」的な。

まぁ、それは良いんだけど、そんな人がコンテ上でオシャレな服とか描けない
わけよ。まず思いつかない、っていうか自分の描いてるコンテ上の登場人物が
どんな服を着てるかなんて言われるまで気がつかない鈍感力っていうかね。

そもそも萩原さんとかオシャレな人はホント、オシャレでさ、他の代理店やプロダクションさんのデザイナーの人々がどうか僕はよくわからないけど
博報堂のオシャレさん達は9月ごろになると、もうマフラーとか巻き始め
ちゃうんだよね。そもそもオシャレでいるには痩せてなきゃいけないわけで
9月とかにマフラーしてもアセモとかにはならないわけ、絶対に。

だから僕は萩原さんのコンテの中に出てくる登場人物がマフラーを巻いている
のを見た時にマジ驚愕したわけですよ。なんて都会的でオシャレなんだろう!
ってね。それから僕は萩原さんのコンテを真似して、よしマフラーを巻いて
みようと思ったわけよ。僕のコンテに出てくる皆さん、今まで寒い思いさせて
ごめんね。これからはちゃんとオシャレにするからね。マフラーだって巻く
からね!と思って自分の絵を見てさらに驚愕の事実に気がつくんだけど
僕の描く人には、クビがない!っていうか人間にはクビがあるんだ!
http://picasaweb.google.co.jp/lh/photo/Pt9w6gQHKadsHyxZ2vqoMw?feat=directlink
なるほど、マフラーを巻くにはクビが必要だ。そして、僕は完全にクビに
ついて失念してた。いやマジどーでも良いことなんだけどでも僕にとっては
大問題で大発見で目から鱗がボロボロと音を立ててアレしたっていうアレ
でさ。
(ま、いずれにしても企画の内容についてはぜんっぜん向上しないんだけどね。)

NO
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