リレーコラムについて

断れない男へ

谷山雅計

博報堂に、トキマツくんという若いコピーライターがいます。

彼は、他人からの頼みを全くぜんぜんこれっぽちも断ることができないというキャラクターの持ち主です。

トキマツくんは、大学生時代、新聞をいちどに3紙とっていました。もちろん、彼が社会情勢をするどく深く分析しようとしたわけではなく、勧誘員を追いかえせなかっただけの話しです。

最初にやってきた読売新聞の勧誘員は、とにかくこわそうなオヤジで、オイこらとばかりに脅しにかかりました。トキマツくんは、びびって読売新聞をとってしまいました。

つぎにやってきた朝日新聞の勧誘員は、今月契約がとれないとクビになる、と泣き落としにかかりました。トキマツくんは、かわいそうになって朝日新聞をとってしまいました。

最後にやってきた毎日新聞の勧誘員は、お願いしますとふつうに頼みました。トキマツくんは、やっぱり毎日新聞をとってしまいました。

・・・って、おいおい、結局、どう頼まれようがとっちゃうんじゃないかよ。

こうしてみると、いちどに新聞3紙をとっていたことがオドロキというよりも、よく3紙で止まったことのほうが意外ですね。おそらく、琉球新報だろうが網走オホーツク新聞だろうが、勧誘員さえやってくれば、トキマツくんは定期購読したに違いないんだから。

さて、このTCCリレーコラムを書くということは、けっこうな重労働です。次のひとにバトンタッチをお願いしようとしても、「来週いそがしいから」と断られることがホントに多い。そう、そんな困ったときにこそ、トキマツくんに次をたのむということが、いちばん手っ取り早い選択なわけですね。

ということだから、来週はまかせた、トキマツくん。だいすきなアイコラのページにアクセスする時間をちょっと節約して、このコラムを書いてくれ。

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