リレーコラムについて

クリエーティブ配属から外れてドローンカメラマンになった話

花田礼

初めまして。カップヌードルの9分割CMで
2022年TCC新人賞をいただきました電通関西の花田と申します。

 

新人賞同期の北恭子さんからバトンをいただきました。ありがとうございます。
北さんは電通の1個下の後輩です。北さんが2015年入社、僕が2014年入社。

 

僕が2年目の時、北さんの新入社員研修の飲み会で初めてご一緒しました。
彼女はその飲み会で「クリエーティブ配属じゃなかったら辞める」と宣言しており、見事に狭き門のクリエーティブ配属を勝ち取ります。今ではしっかり幅広く活躍されていて本当にすごいです。

 

一方の僕は「クリエーティブ配属じゃなかったら辞める」と心のどこかでは思っていながらも「そんなこと言ったら評価下がるんじゃないか」といったことを考えて希望を強く言えず、見事、クリエーティブ配属から外れた人間です。(ごめんなさい、僕の場合は宣言しても絶対外れてました)

 

今日は、そんな話とも関係する「クリエーティブ配属から外れてドローンカメラマンになり、それ経由で広告プランナーになった話」を書こうかと思います。

 

僕はCMプランナーを志し電通へ入社したものの、先述の通り、クリエーティブ配属になれませんでした。(当時は同期が135人くらいいて、CR配属はAD採用を除いて、たしか10人ほどだったような…)

 

大学時代までは「自分には広告クリエーティブの才能がある」という謎の自信を持っていましたが、それは全くもって勘違いだったことがわかりました。(研修などで、自分が考える企画とまわりの同期が考える企画を比べると、自分のものが平凡で面白くないことは明らかでした)

 

元々「去る者追わず」な性格でそこまで執着心も強くないので「広告は好きだったし、できれば広告クリエーティブをやりたかったけど、無理だな!諦めよう!」と別の道を探ることにしました。

 

そこでなんとなく手を出したのがドローンでした。初めて買ったのが入社1年目2014年の秋頃で、そのころはまだ法規制が進んでおらず、どこでもわりと自由に飛ばせました。(2015年4月ドローンが首相官邸に落ちてから急速に規制が強化されました…)

 

そういえば小学生の頃から地図が好きで、授業中ずっと地図帳を眺めていたことを思い出しました。自分では全く自覚してなかったのですが「真上から見る景色」というのが個人的にツボだったようで、のめり込みました。

 

会社の仕事はほどほどにして、1日3時間くらいGoogle Earthで「ドローンで撮ったら面白そうなところあるかなあ」と日本中をグリグリ探しては、平日休日関係なく、撮影に出向きました。(申し訳ないことに会社の仕事にはほとんど精が出ず、完全に給料泥棒でした)

 

そうこうしているうちに、Instagramの公式アカウントで写真を紹介してもらえて数万いいねがついたり、Twitterで投稿した写真がバズってたくさん取材いただいたり、ちょっとした写真集的なものを出してもらえたりと、当時は珍しかった「ドローンカメラマン」として界隈ではそれなりに評価をしていただいてました。

 

この頃、完全に広告への熱は冷め、「最悪クビになってもいいから、会社の仕事は興味のあるものだけ気楽にやる」というスタンスを決め、惰性で電通社員をやっていました。それが3-4年目くらいでしょうか。ところが、このスタンスが性に合っていたのと、ドローンで培ったInstagram/Twitterなどの発信ノウハウが意外と生きて、関わった仕事がSNSで話題になったり、いくつかの広告賞をいただけたりしました。

 

広告熱の再燃です。

「そうだ、これがやりたかったんだ、広告が好きだったんだ」という気持ちを一気に思い出し、広告業界へ魂が戻ってきたのでありました。

 

なんだか長い自分語りになってしまっている気がするので、その後の紆余曲折は、また気が向いたら書こうと思います。

 

まとめると、

「広告クリエイターになりたい!」と息巻いていた時は全く近付けなかったのに、「どうでもいいや」と気楽に別のことをやっていると結果として元々の目標に近付いていた、という。書いていて気付いたのですが、このコラムで僕が言いたかったことは「急がば回れ」という、なんともベーシックなことわざで表現できるような気がします。いや、それだと少し悔しいので、もう少しだけカッコつけて ”Connecting the dots” ということでお願いします。いずれもベーシックでした。

 

ありがとうございました。

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