リレーコラムについて

回転寿司でコピーをひとつ

谷口知二

今日でこのコラムも最後なので、
ひとつライターらしい事を書いてみます。
コピーは創りだすものではなく、
言葉の巧みな「あてはめ」なんだという持論です。
 
例えば「人って温かい」なんていうコピーが
あるとする。クライアントはとりあえず銀行でも。
この手のコピーはよく企業広告なんかで目にするけど、
何かを言ってそうで、実は何も語っていない、
早い話がへたくそなコピーです。
先輩に出せば「平凡じゃん」という言葉の、
洗礼が間違いなく待っている。
つまり言葉そのものの平凡さがやり玉に上がる。
「人って温かい」事体が所詮平凡だと。
しかしそうかと、私は口をはさむわけです。
例えば、このコピーが、かの「山口組」の
人事募集広告に使われれば、
たいそう効き目が違う、見た目も違うだろ、と。
「人って温かい」は銀行からの転職で、
一気に花開いたわけですね。

さらに、もっとわかりやすく言えば。
諸先輩の方々の名を拝借して恐縮ですが、
ここに仲畑さん、糸井さん、真木さんが
いたとする。
で、同じテーマを与えられ、せーので
キャッチフレーズを考えるわけです。
各人の頭の中は走馬灯のように、
ぐるぐる回り始める。
で、仲畑さんは「への5番」で回転を止めた。
糸井さんは「かの11番」、真木さんは「らの8番」。
仲畑さんにも「かの5番」が回ってきたけれど、
それをパスしたわけです。
つまり、このテーマには「への5番」があってると。
その方が効き目があると、判断したわけです。

創り出すというより、言葉を速射砲のように、
思い描くシーンにぶち当てていくんですね。
これをいうと叱られそうですが、
ライターのボキャブラリーって、そんなに
差がないと思ってます。
なのに、なんで上手な人と、下手な人がうまれるのか。
それは、沸き上がる言葉のセレクト力に尽きると。
このテーマにはこの言葉という、判断力、センスだと、
そう思うわけです。
と、能書きをたれているうちに外は真っ暗。
つまり真っ暗になってから書き始めたのですが、
この回で私のコラムは終了です。
反論、反感の類はどうぞご容赦を。
明るい健全なお話なら、どうぞご連絡ください。
フリーの方などの作品も、心から見てみたいと
思ってます。
さて来週からは、内田しんじ氏にバトンタッチです。
歳に似合わず、     です。
空欄を埋めたい方は、来週のコラムから、
自由に抜粋してください。
それでは、どうも。

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