リレーコラムについて

素敵なツッコミを。

内田しんじ

はじめまして。谷口さんからバトンタッチされて、
さぁ走れ、ほれ書けとお尻を叩かれた、内田しんじです。
今は、TBWAという代理店にいます。内田って誰?TBWAって何?
という話は後日にして。
今日のテーマは、谷口さんのコピーの話の続きです。
「組」の募集広告が「人って温かい」と言えば、
平凡な言葉も俄然パワーを発揮するというお話。
興味深いです。面白いですね、じゃ、どうして面白いか。
そこにはボケとツッコミというかナゾ&アンサーの関係が自然に出来ている
からではないか、と思うのです。つまり「人って温かい」というコピーが
ボケ役となって『なんなの?つまんないじゃん』を投げかけた後、
「○○組」という商品がツッコミ役として『どうだ!文句あるか』と
切り返しているのです。
この場合はコピーがナゾで商品がアンサーですが、解りやすいのは、コピーがツッコミやアンサーで、ビジュアルがボケやナゾの役目を担っている場合。
例えば、原始人にマンモスを追いかけさせておいて、Hungry? と答える。
ずっと張り込んでる刑事を映しておいて、だって8時間だもんと答える。
なんだか解らないけどいい気持ちにさせておいて、PARCOと答える。
もっと突き詰めると、アンサーはなくてもかまわない。
クルマのかたちをした留め金を見せて、VOLVOと答える。
でも、答えになってない。よく見ると安全ピン?VOLVOだから
虫ピンじゃなくて、安全ピンってわけ?と見た人が自分自身で
ツッコンでくれればしめたものです。
Tシャツを着た若いカップル。二人の乳首が○△□Χのかたちに浮き出ている。
答えであり、商品名のプレイステーションはどこにも記されていない。
アンサーがなくても、見てくれる人の頭に答えが自然に湧いてくるように
すればいい。まるで広告そのものがゲームみたい。
ここまでくるともう確信犯ですね、つくり手は。
最後にもう一例。
ビジュアルは波。画面全体に大きくうねっている波の写真です。
本当に『なんなの?つまんないじゃん』な写真に、
『当ホテルの目覚まし時計です。』というコピーが入ってました。
なんて素晴らしいボケに、なんて素敵なツッコミなんでしょう。
うまいコピーを書いてやろうと力まなくても、このボケとツッコミ、
ナゾ&アンサーの関係がうまくつくれれば自然にいいコピーやいい広告になっていたりして…。むしろその方がコピーだけが素っ単騎でがんばってなくて
なんだか好感が持てるような気がします。
谷口さんは「あてはめ」とおっしゃってましたが、その意味にはこんな風なことも含まれてるのでしょうか?(せっかく解りやすく言い当てたのに、
なんでまた話しをややこしくするんだ、と怒られそうです。)
じゃ、今度お会いした時に。
*明日23日はお休みです。始まったばかりなのに、ごめんなさい。
じゃ、24日に。

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