リレーコラムについて

福沢諭吉さん恵

谷口知二

その娘は岩下良子といった。
小柄だけど活発な人で勉強もできた。
ただ見るからに「貧し」かった。
それだけに、その明るさが眩しかった。
ある日クラスのガキの一人にからかわれた。
「お前ん家のアパート、俺ん家のもんなんだぞ。」
自分の家来といわんとばかりの、その言葉に、
側にいた自分でさえドスンといやな思いをした。
それを伝え聞いた先生は、もっといやな思いになった。
「有田、お金を稼いでいるのはお前の親だ。
 お前が金持ちでも、アパートをもっている
 わけではない。お前に威張る権利はない。」
子供はみんな平等なんだ。先生はそう言いたかった。

名のとおった代理店があるとする。
そこに入社した若手の社員がいる。
しかし、その社員がその代理店の
名をとおしたわけではない。
最近耳にするプロダクションや、
フリーの方々の声の中に、
小学生の頃の、あの思い出がダブってくる。

「その仕事をベストなものにするために、
 いちはやく自分に足りないものを見つけ出す。
 それがディレクターだ。」
かの広告の神様、オグルビーさんの言葉である。

お互いに、足りない力をもらいあう。
そんな意識をもつディレクターの方々は、
やはり評判もいい。そして仕事もいい。

「いま、わたしには評判が足りない。」
 オリコム CDルーム 谷口 知二

 

NO
年月日
名前
6119 2026.06.08 小出ななみ ずくよ出ろ。
6118 2026.06.06 小出ななみ 留守番電話の行方。
6117 2026.06.04 小出ななみ 語呂合わせ、しあわせ。
6116 2026.06.02 小出ななみ 夫とネーミング競合。
6116 2026.05.29 エピローグ
  • 年  月から   年  月まで