リレーコラムについて

ネットアイドルについて。

川村聡

みなさん、こんにちは。カワムラ広告制作所の川村です。

いきなり唐突ですが、みなさんは“ネットアイドル”ってご存じでしたか?
コピーライターとして恥ずかしながら、私はつい最近までじぇんじぇん知りませんでした。
ホームページの仕事とかもしてるのに、恥ずかしい。
時代の流れを先に読むぐらいの感覚が求められるコピーライターなのに、情けない。
(よし、反省おわり)
知らなかったもんはしょーがない。で、知りました。
それもテレビで。(う、またも恥ずかしい)
とある番組で「ネットアイドルというのが最近話題らしい」という特集をやっていまして、偶然それを見ました。

このTCCのホームページをご覧になっている皆さんは、とっくにご存じだとは思いますが、念のために説明しときますね。
“ネットアイドル”ってのは、歌手でも女優でもなく単なる一般の人。極端な話、その辺でプラプラしてるおネーちゃんです。
ただ、そのおネーちゃんが自分で自分のホームページおっ立てて、自分の紹介して、デジカメで撮った自分の写真(胸の谷間とかまで見えてる少しエッチなPhoto含む)をレイアウトして、日記みたいな近況を報告してるわけです。
そのホームページを世の男性がけっこう見てて、たいそう人気があるそうで。それも一人二人じゃてく、けっこう大勢のおネーちゃんが同じようなページおっ立ててたりして、で、お節介というかご丁寧にというか、彼女たちの人気ランキングを集計して発表してるホームページまで別にあるのです。

それを紹介していたテレビ番組へ話は戻ります。
番組では、その“ネットアイドル”のランキング上位にある一人の女性を紹介していました。めちゃくちゃ可愛いのかと思ったら、そうでもない。探せばその辺のコンビニとかでもいそうな女の子という感じです。だからいいのかなぁ。
1日に来るファンレター(もちろんE-mail)が何百通とか何千通とか言ってました。おまけに、彼女はそのすべてに返事を出しているとも。
別にお金儲けとかが目的じゃないみたい。ホームページを立ち上げるだけじゃ食えるわけもなく、普段の彼女はただのフリーターです。

でも、よく考えたらすごい事だなと思いました。インターネットというメディアを通じて、その辺の女の子がアイドルになっちまうんですから。テレビやラジオや雑誌や有線やらを使って、アイドルを仕立てようとしたら莫大な資本がかかるのですよ。
インターネットなしで、一般の女性が個人でやれるとしたら、せいぜい駅前で自分の宣伝用のビラをまくくらい。
(それじゃ、駅前アイドルか。)
いや、それどころか誰も見向きもしないでしょう。
仮に人気が出たとして、一日に何百通や何千通ものファンレターをもらっても全てに返事なんて書けっこない。
インターネットがあるから、E-mailだから、コピー・ペーストできるから、全てに返事が書けるのです。
(アイドルに紙のファンレター送って、コピー用紙へコピーされた返事もらったらたぶんムカつくのに、E-mailだと平気なんですよね、きっと。)

番組の中では、彼女の熱烈ファンを自称する男性にもインタビューしていました。(これが、いかにもネット野郎という感じのほほえましい男性でした)
彼はまめにファンレターメールを送ったり、彼女とチャットしたりしてるそうです。
手軽に意志の疎通ができるのもメリットの一つだな、と今さら当たり前のことにフムフムと納得していたその時です。
レポーターが彼に質問しました。
「あなたはネットアイドルの彼女と、実際に会ったり、つき合いたいと思いませんか?」
彼の返事はこうです。
「このままでいいです。ネット上のほうが自分の本当の自分らしさを表現できるから、それで彼女とコミュニケーションもはかれるし。」

これを聞いて軽いショックを覚えました。同時に「いかん!」とも思いました。テレビや雑誌と違う。メディアの中で完結しちまってる。そんな若者が増えていくんだ、と。

コピーライターって、メディアを通じて読者や視聴者へ情報を加工して伝え、移動や購買といった実際のアクションをおこさせる仕事。だから「コマーシャルを観るのが楽しいの。雑誌広告を眺めるのが好きなの。実際の商品なんていらない。見たくない。ブラウン管の中だから、雑誌の中だからいいんじゃないか。」なんて事になったら商売あがったりです。
これは極端な話かもしれませんが、メディアに対する感覚が徐々に変わっていることは事実のような気がしました。

いかん、いかん。
きっちりと、読者の、視聴者の、消費者の感覚をつかんでいないとヤバいぞ。
コピーライター失格。廃業。そして、失業。

失業したらどうしよう。
う〜ん。何になろう。
よし、これだ。

“ネットお笑い芸人”

おあとがよろしいようで。また明日。

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