リレーコラムについて

鱧

鵜久森徹

私は食べるのが大好きです。だからと言って
決して美食家でもなければ、ウンチク野郎でもありません。
ただ好きなだけ。趣味のひとつですね。

で、この季節にぜひ食べておきたいのが鱧。
一般的によくあるのが「落とし」という調理法で
みなさんご存知のように梅肉をつけてさっぱりと食べる
いかにも夏向きの味です。定番ですよね。
ま、確かに「落とし」も嫌いではないのですが、
私のなかの一番は圧倒的に「鱧しゃぶ」。うまいなんて
ひと言ではとうてい片付けられません。いまだって胃袋が
欲しがって仕方ないくらいです。鱧のしゃぶしゃぶですから
当然、夏の暑い最中に鍋の登場です。とにかく熱い。
額に汗がふきだします。グラグラと煮えた鍋のなかには
うっすらと黄金色に輝くダシがはってあって、このなかで
鱧を2、3回さっと泳がせてポン酢につけて口のなかへ。
個人的にはあまり熱を通さない、半生よりも
さらに生っぽいのがお薦め。なんだか簡単で、すぐに味が
想像できちゃいそうでしょ。私も最初はそう思ってました。
正直言ってなめてました。今となっては恥ずかしい限り。
舌で押すだけでとろけるように身がくずれて、鱧の甘みが
口いっぱいに広がります。鱧の骨っぽさも、どこへやら。
白ネギと一緒に食べると、ほのかな辛味と苦味がプラスされ
たまらない味わいなのです。まいりました。旨すぎます。
確かにお値段のほうはかなりよろしいのですが、
それ以上の満足があるからついつい奮発して食べちゃって、
後から財布が軽くて心細くなることもしばしば。

それにしても、こんなこと書くんじゃなかったかな。
ものすごくお腹がすいてきた。鱧なんてゼイタクは言わない
けど、何かうまいものでも食べないとやってられないなぁ。

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