リレーコラムについて

最近、映画観に行ってないな。

副島夏樹

映画が嫌いな人ってあまりいない気がします。
この業界の人ならなおさら。
もちろん僕も大好きなんですが、最近観に行ってないことに気づきました。

やっぱり、映画は映画館で観るのが好きなんですが、
なんで人は映画館で映画を観るのかについて、
心のどこかで思っていたことを代弁してくれたのが前田知巳さんでした。
コピーライター養成講座の時におっしゃってた言葉で、

「なぜ、DVDやネットで観られる映画を映画館で観るのか。人は共感したい生き物だから」

目から鱗でした。
この言葉で、今まで表現できなかった僕の映画館愛が腹落ちした記憶があります。

あと、僕には映画館で映画を観る理由がもう一つ。
それは映画のチケットの半券が手元に残るから。
小さい頃から自分の観に行った映画の半券を集めているんです。
窓口で購入する文字だけの半券じゃなく、ビジュアルが付いているチケットの半券。
そしてこの映画チケットこそ、僕が広告を意識した第一歩だったんじゃないかと思っています。

年の離れた姉が映画好きだったので、小さい頃から姉に連れられて映画をよく観に行ってました。
僕たちは窓口ではなく、チケット屋さんでチケットを購入してから、福岡は中洲にあった映画館へよく行っていたんです。
福岡東宝、福岡東映、ピカデリー、宝塚会館、松竹、大洋、etc…
その昔、中洲には映画館がいっぱいあったんですが、今は大洋ぐらいしかないんですね。

チケット屋さんに行儀よく並んだ映画チケットを眺めていると、
それだけで映画を観ている気分になってきます。
映画の一番の魅力を映し出すビジュアル。
2時間におよぶストーリーを凝縮させたキャッチコピー。
それは、どの映画を観るか迷っている人への、最後の一押しになるものだと子供心に思っていました。
なぜなら僕と姉も、いくつか候補にあげた上で家を出て、
最終的にチケット屋さんでその日観る映画を決めていたんです。
チケットには映画が一番言いたい魅力が詰まっている、と子供ながらに感じていました。

僕が持っている半券の中で子供ながらに一番ささったコピーは「ロッキー5」の
「そして、グローブは捨てられた」 でした。
あのロッキーがグローブを捨てる、その後どうなるんだ、と衝撃を受けたのを覚えています。

いまだに半券を得るために、ビジュアル付きのチケットを金券ショップで手に入れてから映画を観に行きます。
まぁ、今は前売り値段で購入できる点に惹かれているからでもありますが。
たぶんこれからも観に行った半券は集め続けるんだろうなぁ。

あ〜、書いているとめちゃくちゃ映画行きたくなりました。
やっぱり映画観に行かないとダメですね、発想を広げるためにも。

ちゃんと、映画観に行かなきゃ。

NO
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