リレーコラムについて

一番安いイタリア料理の作り方

山中律子

うちに料理を食べに来る友人にこの料理を出すと、
みんな、必ず
「ねえねえ、これすごくおいしい!
 どうやって作るの?ねえ、教えて!」
と言う。

でも、教えてあげると、あとで必ず、
「ちょっとー、なによー、あれ、すごく簡単なんじゃない」
 と怒る。

その言いぐさたるや
「あんた、このアタシに、
 あんな簡単で金のかかってない料理出したわけ?」
てなもの。
それくらい簡単で安い料理ですが、
ボローニャにいるとき、
考古学者のオバハンに習った一応イタリア料理、
「タマネギの水煮」をご紹介します。

まず、スーパーオオゼキや、ダイエーなんかで
小ぶりのタマネギ8個詰め150円なんてのがあったら即買い。
この、小ぶりで安いというのがポイント。
間違っても高くて大きい新タマネギなんて買わないように。

タマネギは皮をむいて真横に2等分します。
だから8個なら16個になる。
これを、大きな浅鍋に、
タマネギの断面が上になるようにして敷き詰めます。
そして、水をひたひたに注ぎ、
ひとつまみの塩を入れ、火にかけます。

隣のガス台では、常にお湯をわかしておきましょう。
これは継ぎ足し用です。
鍋の水が引いてきたらそのたびに、このお湯を足していきます。
引いては足し、引いては足し・・を1時間半くらいでしょうか、
永遠に繰り返していると、
タマネギが茶色味を帯びてくたくたになってきます。
中心部まで透明になるまで煮込むころには、
一番外側の皮がどろどろに溶けて崩れたりもしますが、
これは見捨てます。

「もう、これ以上、水吸えない」って感じまできたら、
そのまま最後の水がじわじわ引くのを待ち、
うっすらと水が残っている状態の中へバターを落とし
タマネギ全体に行きわたらせればできあがり。
あ、もう火は止めてください。

あまりにもぐにょぐにょになっているため
皿に移すときだけ注意が必要ですが、あとは誰でも作れるはず。

砂糖も入れてないのに何故か砂糖の味がする、
コンソメも入れてないのに何故かコンソメの味がする
タマネギの水煮。

16個で、しめて150円。どうだ。

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