リレーコラムについて

ぼくのすきなもの

道山智之

ああ、コラムもあと2回で終わる。
たいへんだけど名残惜しい。
もっと書いていたい。
自由に書いたものが人目に触れる機会は多くない。
自由に書いて自分だけでしまっとくことはいっぱいあるが、
自由に書いたものが多くの人目に触れるという状況で
自由に書くことがこんなにむずかしかったっけ?
なんて思ったきのうだった。

*****

考えてから、書く。
考えながら、書く。
書いてたら、考えてた。

ってのはあるけど、

書いてるけど、考えてない。

って状態はないだろう、
と書きながら考えてて思ったのだが、

なにかが「降りてきた」ように
どんどん書ける、
ってときは「考えてない」とも言えるんだろうなあ。
そんなこと、そんなにないけど。

書く。
お気に入りの筆記具で、
万年筆でも
パソコンでも、
自分が一体となれるなにかで
考えるままに思うがままに
わーっと書いているときほど、
しあわせなものはない。
(今がそうだけど。)

時間に追われてないことがポイントだ。
(小心者だから。)
きのうはきのう付けのコラムにするために、
夜のうちにと、わーっと書いていたが
なんかダメで、
朝になってほとんど書き直した。

早めにとりかかる。
そして時間をかけて、
思いつくたびに直す。
直してるときは、たのしい。
直せる時間があるときに書く。
そのとき、ぼくは自由だ。

自由に書いたものが多くの人目に触れるという状況で
書く自由なものは、すでに自由じゃないんだろう。
自由なものは、
やっぱり自分でしまいこむもの。
でもそれではなぜかつまらない。
人目を意識して、自由に書く。
うーん矛盾してると思ったところで
メモ(ネタ帳)を手にとる。

そう、最近へえーと思ったのは、
半音(♯や♭)にも1語で表す言葉があるということ。

C#は「シーシャープ」だけど、
ドイツ語だと「ツィス」っていうんだって。
C#、D#、F#、G#、A#は「ツィス」「ディス」「フィス」「ギス」「アイス」。

C♭は「シーフラット」だけど、
ドイツ語だと
C♭D♭E♭G♭A♭は「ツェス」「デス」「エス」「ゲス」「アス」。
でもドレミファソラシドほど自由じゃない。
子音で終わるので、言葉としては、
次の音につづけにくい。

でもなぜかB♭だけは「ベー」。
「ベー」だけは自由だ。

幼稚園のとき、
ヤマハオルガン教室で「ベー」だけは習ってたので、
よく頭の中で「ベー」をつかった。
「ドベソー」とか「ベラベー」とか、
一瞬で音が浮かんで、自由だ。
しかも、アンニュイでおとななニュナンス。
それに「ベー」という響きの風変りで、謎な感じ。
ぼくは、そんなベーがすきだ。

(これも今回書いてみて初めてちゃんと意識した。
ずっとすきだったのか・・・
なんだかこんど「ベー」と会ったら照れちゃいそうだ。)

たまにCMでオリジナル曲をつくるとき
譜面がちゃんと書けないので
カタカナのドレミで紙面の上下(音階を意味)にちりばめて作曲するが(そこにコードを追加)、
ベーは書きやすく、自由だ。
作曲家の人はどうしてるんだろう。
音をそのまま楽譜にするから自由なのか。
いったんドレミという言葉に変換しないのだろうか。
変換してる限りは複雑な和音など弾けないんだろうな、
と2年でオルガン教室を卒業してしまったぼくは
ただ想像する。

長調の曲がすきだ。

「New Kid In Town」
「Grad I Met Pat」
「Close To You」
「Doctor Wu」
「春の野を行く」

など、
ほとんど長調ベースで
ときには長調と短調を行ったり来たりしながら
明るいんだけど胸がしめつけられるような曲を選んでしまっている
自分に気づく。

にこにこの裏にある哀しさ。
ぶっきらぼうのうらにあるやさしさ。
なんかとらえどころのないもの、
でもぼくだけはわかってるよ!・・・
イイネ!

ああ、自由に書いた。
こんな時間が、すきだ。

*****

J-WAVEの番組「Vision」の原稿、
去年はたくさん書かせていただいた。

ぼくのすきなひとたちのこと、
書いてます。
よかったら、読んでみてください。

http://www.01-radio.com/vision/michiyama_tomoyuki/

北原白秋、
新美南吉、
チャイコフスキー、
ハル・デイヴィッド、
バート・バカラック、
紀貫之、
瀧廉太郎、
濱田廣介、
中村八大。

いつか、「ミッド・ナイト・イン・パリ」状態に
なってみたい先生方です。

道山智之の過去のコラム一覧

4376 2017.12.24 もう一度
4375 2017.12.21 二度聞き
4374 2017.12.20 セカンドチャンス
4373 2017.12.19 二度寝
4372 2017.12.18 2度め
NO
年月日
名前
4523 2018.08.10 鈴木拓磨 TOKYO 2100
4522 2018.08.09 鈴木拓磨 書き出し小説
4521 2018.08.08 鈴木拓磨 息子が黙ってない
4520 2018.08.07 鈴木拓磨 父がボディビルダー
4519 2018.08.06 鈴木拓磨 日本コピーライターズクラブ
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