リレーコラムについて

おしまいに(仮)

清松俊也

「自己紹介」が苦手です。

だから後回しに後回しにしてきました。ごめんなさい。
でも、このまま何も自己紹介せずに終わるのは心苦しい。
だから、ちょっとだけ、僕の原点の話を。

最初、僕はエージーという制作会社で広告業界に入れてもらいました。
その後、岡部事務所という岡部正泰さんの個人事務所で
コピーライターになるきっかけをいただきました。

岡部事務所で、僕はほぼ何の役にも立ちませんでした。
岡部さんのウォーキングのお供役(?)として、
事務所に置いてもらったようなものでした。

僕が勝手に岡部さんのことを師匠と仰いでいるだけで、
もちろん岡部さんは僕のことを弟子とは思っていないはずです。

ただ、そこで過ごした濃密な時間を僕は勝手に宝物にして、
二十年以上ずっと広告業界の隅っこでコピーを書いてきました。

だから賞をもらったとき、十二年ぶりに電話を掛けました。
岡部さんに一言だけ「おかげさまで」と言いたくて。

「俺はなんにもしてねぇよ。そりゃ、おまえが頑張ったんだよ」

岡部さんの言葉に、胸が詰まりました。

言葉を継ごうとしても
うまく言葉が出てきませんでした。

僕が岡部さんに褒められたのは、それが初めてのことでした。

ごめんなさい。なんだか喋りすぎましたね。
これ以上書くと、岡部さんに叱られそうな気がします。
だから、もうやめておきます。

でも、初めて褒めてもらったので、
久しぶりに叱られてもいいかなとも思っています。

ここに勝手に書いてしまったこと、今度、謝りに行きます。

…やっぱり僕は自己紹介が苦手みたいです。

それに、重ねた歳の分だけ話が長くなりそうなので、
このへんで。

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型破りの魅力的な生き方で影響を与えてくださった エージーの山本昌邦さん、キャッチャーゴロという名前をつけてくださった おてもやん企画の小林秀雄さん、その他にも僕に愛と勇気と冒険心を与えてくれた皆さんのお話は、また別の機会に。

というわけで、僕のコラムは、これでおしまいです。

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一週間、つたないコラムにおつきあいいただきまして、ありがとうございます。また励ましのメールやお電話をいただき、ありがとうございました。おかげさまでなんとかバトンを落とさずに最後まで走ることができました。そして、このような機会をくださった前走者の久保さんとTCC事務局の皆さんにも感謝しています。

さて。次回は、今年(2014年)のTCC新人賞の同期となるビッグフェイスの森田一成さんです。森田さんは、誰もが友達になりたくなるようなとてもチャーミングなお人柄の持ち主です。来週の七夕ウィークは、森田さんにおまかせです!森田一成アワーで いいともです!(ごめんなさい。コラムの解放感からか調子に乗りすぎました)。ではでは、森田さん、よろしくお願いします。

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7月9日(水)13:00~15:00
アド・ミュージアム東京にて「行動展示」で、
僕自身が展示されます。お近くにお越しの際には、ぜひ。
http://www.admt.jp/exhibition/program/2014_tcc2014.html

いつか、きっと、お会いしましょう。

キャッチャーゴロ 清松俊也

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