リレーコラムについて

男気の暮らし

久保馨

2014年1月5日。
品川駅に、リュックひとつで降り立った
関西出身のおっさんがひとり。

ぼくです。

生まれて35年、
関西、というか神戸市内から
一歩も出たことがないおっさんの大冒険スタート。
例えるなら、老けた勇者のドラクエです。
例えになってないので、山手線を乗り継いで
新居へと急ぎます。

暖房器具なんて一切付いていない新居で、
引越し屋が家財道具を運んでくるのを待ちます。

約束の時間になっても彼らはやって来ません。
電話をかけても誰も出ません。
やな予感がします。

やっと電話に出た引越し屋の言いぶんを要約すると、
年末年始で道路事情が混乱してる。
来週まで待ってくれないか?

外国なのかここは。
何を言っても「行けたら行く」の一点張りの運び屋。
ジョニーが来たなら伝えてよ、2時間待ってたと。
状態です。(これ、おっさんしかわかりません)

不幸中の幸いか、
別のジョニー(運び屋)に頼んでいた掛け布団は到着しました。
とはいえ、初めての土地、しかも真冬でこのアイテム数。
裸一貫という男らしさを表す言葉がありますが、
ほぼそれとニアリーです。

まさに凍るに狂うと書いて「凍狂」とは
よく言ったものです。
ほんま冷たい街やで。気温が。

加えて、
知り合いもいません。
土地勘もありません。
コンビニを探して出歩いたら
家に帰れなくなって、
おまわりさんに道を尋ねる始末。
何十年に一度の大雪まで降りだすし。
(なんで今年降るかね)
神さまのいたずらというか、
ほとんど嫌がらせ。

そんな、寒さと孤独が骨身に沁みるデビューを
なんとか乗り越え、今もしぶとく生きてます。

その時役に立ったのは、
常時着用していた男の象徴、
革ジャンだったのは言うまでもありませんね。

…まったくオチる気配がないので、
このへんにしときます。
中途半端と言われようと構いません。
いさぎよく、男らしく。

もし、いつかまた
書かせてもらう機会をもらったら、

その時こそ男気で、書けるとこまで書いてみます。

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1週間のつたないコラム、

いや、

コラムにもなってない面妖な文章、
申し訳ございませんでした。

次の走者の方はバシッと
キメて頂けると思います。

次週は「野菜は、命を差し出している。」で
新人賞を受賞された、
キャッチャーゴロの清松俊也さんです。

今年の新人賞受賞者の中で最年長ということで、
かなり懐深く、かつ腰も低い、ナイスなお方。

ほんとは男気のかけらもないビビりなぼくが
バトンをお願いできるのは清松さん以外に
考えられませんでした。

では、清松さんよろしくお願いいたします!

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