リレーコラムについて

フルムーン

塚田由佳

1月19日、今日は満月らしい。
青く澄んだまんまるの美しい月は、夜道を明るく照らしてくれていた。

で、満月の夜って、とてもロマンチックな感傷に浸る一方、
どうもムラムラしますよね。
何かがムラムラしますよね。

海水の満ち引きが、月と関係するんだから
ほとんど水分でできている人間の身体が
満月になにかしら影響を受けたって
不思議ではないと思うのであります。

科学的な裏付けがあってもなくても
満月の夜は、初潮が始まるとか、生まれちゃうとか、
犯罪が起きるとか、突発的に良い事しちゃうとか、
恋に落ちるとか、命を吹き返すとか、蒸発するとか、
そういうことは絶対にあると私は信じているのであります。

なぜなら、そういう不思議な現象が昔から
世界のあちこちで起こっていたから
満月の晩に変身しちゃう狼男の話や、
満月の晩に月に帰ってしまうかぐや姫の話などが
生まれたに違いないと思うから。

それに、そういう都市伝説を信じた方が
なんだか楽しいから。

村上春樹さんの『1Q84』の中でも
もうひとつの世界の象徴として「二つの月がある世界」が描かれていた。
いつもの白い月の横に、緑のいびつな小さな月がある世界。
そのシーンは、私の中に、妙にくっきりと印象に残った。

月といえば、ユーミンの名曲『14番目の月』の歌詞も秀逸だ。

 次の夜から欠ける満月より
 14番目の月がいちばん好き

この深さ。この感受性。
ほんとうに、すばらしい。
一度フレーズを聞いたら、死ぬまで忘れない。
こんなコピーが書けたら、死んでもいいな。

こんな具合に満月というモチーフは、
過去にたくさんの天才たちの創作意欲を
ムラムラさせてきたに違いなく、
今日のような完璧な満月を見ると、
そんな天才たちへの憧憬がこれまたムラムラして
なかなか眠れないのであります・・・。

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