リレーコラムについて

引っ越し、しました!

吉田有理

ロック。映画。サッカー。麻雀。くるま。・・・コピーライターの趣味といえば、バラエティ豊かに、多方面にわたっているようですが、(ちなみに、ここに例であげたのは、世界で一番顔色の悪いコピーライターであるところの、わが敬愛する、この道の先輩、廣澤さんの趣味ですね・・・。)
わたし吉田も、これで多趣味な女であります。

「なかでも、いちばんの趣味はコピーを書くことかしらね・・・。」(テメエ、何様のつもりだいっ。)・・・なんていう冗談は、休み休みいうことにして。ほんとうのところ、心から好きだと、神さまにでも胸を張って答えられる趣味は、なによりも「スポーツ観戦」ではないかしらと思っています。

思えば、1991年。まだアサツー(現アサツー・ディケイ)で、ぺえぺえのコピーライターだった時代に、有給休暇と、夏休みと、代休と。お休みをぜーんぶかき集めて、国立競技場で2週間にわたって開催された「世界陸上」を、向こう正面、S席のどまんなか。最前列で、連日連夜休みなしに、見続けたことがあります。
(開催1年前。チケット売り出し初日の朝に、陸連に通し券を予約したのです。もちろん、自腹よ。)

カール・ルイスが100メートルで9秒86の世界新記録を出し、そのかわりのように、10年間勝ち続けてきた走り幅跳びで、13年ぶりにビーモンの世界新記録を更新する8メートル95センチを跳んだパウエルに破れ、棒高跳びではブブカが余裕で優勝し、高野進が400メートルで入賞し、谷口浩美と山下佐知子が男女のマラソンで金と銀のメダルを獲り・・・。

しかし、なにより印象的だったのは、あの「鉄人レース」といわれる、男子の10種競技で、アメリカが誇るスーパースター、ダン・オブライエンが、鮮烈に、名実ともに世界の第1線に躍り出て、世界記録の更新にはたったの35点足りなかったものの、しなやかに金メダルをゲットした、あの、世界陸上です。

それはそれはキュートだったオブライエンはもとより、ドイツの哲人シェンク、銀メダルを獲ったスミス、そしてロシアの新鋭ハマライネン・・・。デカスロン競技に出場した男たちは、それぞれが、心底美しかった。(競技をしているときも。そうでないときも。)

そして、2日間、昼夜を問わず、生身で戦い続ける男たちの間には、ライバル意識や、ねたみ、そねみといった感情よりも、いつしか、分かちがたい一体感が芽生えてゆき(そう見えた)、最後の競技である1500メートルの後にやってきた、あの、メダリストであろうがなかろうが、がっちりと肩を組み、あるものはあるものと抱きあいながら、一団となって、スタジアムを一周した光景は、今も脳裏に焼きついています。

その2週間は、わたしにとって、20代最高の思い出のひとつであり、と同時に、国立競技場のお膝元である「千駄ケ谷」は、その日から、わたしにとって、青春の聖地となっていました。

だからこそ、アサツーを卒業して、個人事務所を構えるにあたって、交通の便のいい外苑前や表参道や、コピーライターのサンジェルマン・デプレであるところの乃木坂をすすめる友人たちの誘いもなんのその。「千駄ケ谷」の駅の近くに、こぢんまりした事務所を見つけたのだと思います。

住民の反対による応援規制以前は、Jリーグの試合のある夜の、鳴り物入りの歓声も、コピーを考える耳に心地よく聞こえてきたし、(近隣のみなさんの歩調を乱す意見で、すみません・・・。)神宮外苑の花火大会の翌日は、花火のまん中のまん丸い芯が、わたしの事務所のベランダを直撃し、せっかくの鉢植えを壊してしまったこともありました。

な〜〜んて、おセンチな、千駄ケ谷の青春メモリーは、思い出しても思い出し尽くせないくらいあるけれど・・・。

◆2000年、5月31日をもって、吉田有理事務所は、移転します。

新住所は→ 107−0062 港区南青山2−19−5関原ビル30

電話&ファックスは→ 03−3402−8844(変わりません)
ついでに、携帯電話は→ 090−3574−4274(変わりません)
ついでに、e-mailは→ yuripon@gb3.so-net.ne.jp(変わりません)

ときどきは、青春の千駄ケ谷を、涙ぽろんで、さまよってしまうこともあるかもしれないけど、運わるく、そんなところに出会ってしまったら、「こいつ〜、泣き虫さんっ。(笑)」といいながら、おでこをコツッとしてくださいね。(いえいえ。絶対にそんなこと、しないでね!)

吉田有理事務所。これを機に、いっそう柔軟に、さらに大胆に、そしてより確実に、仕事をしていくつもりですので、どうぞよろしくお願いします。

P.S.あんがい、青山もいいところみたいよっ♪

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