リレーコラムについて

ぶっきらぼうの優しさ

井指陽

ある時、近所の商店街を歩いていたら
一枚の黒板に目が止まりました。
ただ、無造作に立て掛けられているだけのもの。
チョークで、こんなふうに書いてあります。

・質 6ヶ 1,050円
・量 15ヶ 1,050円

え、何屋さん?とまわりを見ると、
どうやらお寿司屋さんのよう。
さすが魚さばきのプロ、腹を割っているな。

…などという冗談はさておき。
ぱっと見た時は
何てぶっきらぼうな、と思いました。
でも考えてみると、こんなに親切なことはないのかもしれません。
お客さんの求めている情報がきっぱりと表されていて、
お店の柔軟な姿勢が伝わってきます。

もちろん、「商店街の寿司屋」だからこその
表現だとは思うんです。銀座の一流店で同じようにされたら、
きっとがっかりしますよね。

ちなみにこのお寿司屋さん、
終電後も、人通りの多い商店街でいつも繁盛しています。
自らの立場をわかっているって強いんだなあ、と思いながら
帰宅途中、私はちょっぴり勇気づけられます。

NO
年月日
名前
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