リレーコラムについて

言葉にならない感情みたいな話

原科健介

今日、地下鉄に乗っていて、窓の外の暗闇を眺めていました。
思ったよりも寒い日で、薄手のウィンドブレーカーしか着てこなかったことを
ちょっと後悔しながら、ヘッドフォンで音楽を聴きながら。

地下鉄の外なんか眺めたって面白くもなんともないのに、
一人だといつもドアわきに立って、 ぼんやり外を見てしまいます。
でもご存知のように、まったくの暗闇というわけではなくって、
何本ものケーブルが一緒に走り、交差し、一本にまとまり、また離れて、
やがて明るくなって駅が現れます。

ケーブルが途切れ、黄色い駅の光が入ってきたときに、急に何かを
思い出しそうになりました。 あ、って。でもそれは、それこそあっという間に
指の間をすり抜けて、どこかへ消えてしまいました。

なんだかもどかしい気持ちだけが残りました。ちくしょう、なんだったんだろうな、あれ。
デジャビュとも違う、夢の断片をふっと感じるような、そんな感じ。
言葉になる直前の、不思議な熱のような、そういう感じ。
ときどき、そういうことってありませんか?
この感情というか、心の動きには名前がついて いないのかな。
きっとみんな同じような経験があると思うんだけど。

ヘッドフォンでは、今度来日するYo La Tengoがゆるくドリーミーな歌を歌っていました。

思い出せなかったことを思い出そうというのは、変な話ですね。
ぼくたちは、思ったよりも言葉にならない感情をいろいろと抱えているのかもしれません。

NO
年月日
名前
5669 2024.02.20 佐藤雄介 上田さんについて
5668 2024.02.09 堀田さくら 最後かもしれないだろ
5667 2024.02.07 堀田さくら 外資系の人事って、こんな感じかなぁ
5666 2024.02.06 堀田さくら ゲームをしたいのか、仕事をしたくないのか。
5665 2024.02.05 佐藤一貴 神宮外野指定席C
  • 年  月から   年  月まで