リレーコラムについて

踊らされて2005

原科健介

朝、目がさめるやいなや、ぼくの大切な日だということを思い出して
「今日は水曜日!こうしちゃらんない!」
と叫んでお気に入りの帽子をひっつかみ、階段を駆け下り、通りに
飛び出し、大慌てでここまでやってきました。しまった!まだパジャマのままだった!

そう、今日は踊りを踊りにやってきたのです。ここに。何しろ先週、
コラム担当の同期岡田君に、
「水曜日あたりにハラケンサンバを見せてもらえる」
ということを書かれてしまったので、まだ誰にもお目にかけていない、
門外不出にして一子相伝、超絶技巧のダンスをご披露いたしましょう。

ご存知ない方もいらっしゃると思うのですが、ぼくは街一番の名うての
ダンサー。アダム・クーパーも「あいつにゃ叶わない」と舌を巻き、
ホアキン・コルテスをして「奴が踊れば世界が弾む」と言わせしめ、
ピナ・バウシュは驚きのあまり手に持ったおやつを落とすしまつ、
ヘラルド・トリビューン紙によれば「今世紀最大の感動」、
ブロンクスのB-boyたちはこぞってR.E.S.P.E.C.T!!!イエーイ。

いや「街一番」にしてはいささか世界レベルすぎ?オーケイ、
ホントのところを書きましょう。ぼくが踊れば鳥たちが歌い、花屋の
娘は黄色い声をあげ、道行く車は道をあけ、雨は上がり、雲間から
光がさしこみ、ケンカはおさまり、街中でぼくに続いてパレードスタート、
バッファロー顔負けの大行進、年に一度のかの有名なハラケンサンバ!
こんなときは言うことはひとつ「お嬢さん、一緒に踊りませんか?」「喜んで!」

ポルカ、ルンバ、サンバにランバダ、忘れちゃいけないタンゴ&フラメンコ、
フラつながりでフラダンス、フリーダンス、ダンスつながりでブレイクダンス、
ずいぶん練習したんす、時間くったんす、いやマジで。韻を踏みつつステップ
踏んで、いやいやほとんど駄洒落、華麗なる脚韻なんておこがましい。

いや、文章で踊るというのは、思ったより大変です。いい汗かきました。恥ずかしくて。
(パジャマのまま逃げるように退場)(ハラケンサンバもフェイド・アウト)

NO
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