リレーコラムについて

映画社へクロスへ本棚へ

山口慶子

今日は3月最後の日。大安吉日、桜が満開。
片付けも大詰めだ。最後は本棚からはみ出している本たちをどうするか。
CM NOWは捨てられなかった。広告批評も捨てられない。映画の本たちも…。

映画と言えば、入社したのが電通映画社でした。
映画会社と勘違いして受けたら、大卒現場採用「初の女性正社員」で合格。
前年まで「受験資格:男子のみ」の文字が就職課に掲出されていたから
世の中変わるものですね。

入社後、ハリウッドのスタッフと数年間の撮影制作を経験し、
中国電影集団とつくった合弁会社で中国映画にも関われて、
上司のひとりが映画評論家のILMやジェームズ・キャメロンの本を出版、
仕事でも「会うのがいちばん」のエクスプレスシリーズの長編CM企画の
チャンスを頂き、映画宣伝にも多く関われた…と
常に「物語」をつくる場所にいられたのは幸運でした。

リモートになって、NETFLIXで韓国ドラマを観て感心し、
映画でも‟エブエブ”のアカデミー賞総なめに驚き、
アジアが世界を感動させられるんだと、鳥肌が立ちました。
もちろん日本にもハリウッドに影響を与えた映画人が多数いらっしゃいますが。

映画の規模を検索してみると、映画スクリーン数では2017年の統計で
1位 中国   約5万スクリーン
2位 米国   約4万スクリーン
3位 インド  約1万スクリーン

日本は10位以下で 2022年時点で約3,634スクリーン
アメリカが人口比ではかなり突出しているのは、産業になっているからでしょうか。

製作数の比較では、外務省のサイトによると、
1位 インド 1,986本
2位 中国  874本
3位 米国  660本
日本は4位で594本、5位が韓国の494本。映画製作本数はアメリカに並んでいますね。

 

映画興行収入も検索すると2019年時の為替換算で
1位 米国 約1兆2千憶円
2位 中国 約9千900憶円
3位 日本 約2千200憶円

人口が日本の倍のアメリカで、興行収入が5倍というのは
その分投資もできていい循環ができそうです。

調べると見えてくるものがあります。
環境とスキル向上は一体のように思います。
ライターのスキルを更にあげられる環境をつくれば、
より多くの人の心を助けるものができるかも知れません。
お隣の国の成功には国のサポートが貢献しているようです。
日本も国のサポートがもっと映画や芸術に注がれますように。

映画はたくさんの技術が集まってできている総合芸術。
感情の根幹をしっかりつくるライターの技術が大切です。
いい映画やドラマを観るといつもそう思います。

タイトルも重要ですね。
タイトルに込められた思いが、じわじわ来ることもありますし。

それって会社も同じかもしれません。
以前、会社の名前をつくりました。「クリエーティブクロス」
人々が交差点のように集い出会い、
新しいものが生まれる場所になるよう思いを込めて。
昔のスポーツ番組のタイトルもひとつ。「どんまい!」
スポーツで味わうこともある悔しさと乗越える感情を込めました。

これからも世界ではいろんなことが起きると思いますが、
「どんまい!」ということで、
皆さまと「クロス」して「会うのがいちばん」で生きたいと思います。
(会うのがいちばんは先輩のコピーですよ。)

さて、ラストスパート。本棚を片付けて、
神保町のシェア本屋さん「猫の本棚」にある「文鳥本箱」と名付けた
自分のミニミニ本屋さんに持っていきます。

 

4月3日からは、猫の本棚の管理人さんで
映画評論家・映画監督の樋口尚文さんにバトンをつなぎます。お楽しみに!
ここまで読んで頂きありがとうございました。

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