気負わずにはじめます。
2023年より「ヤマカワ」という屋号でフリーランスとして活動している、川原 綾子と申します。
今回バトンをつないでくださったサン・アドの波間 知良子さんとは、私が四半世紀を過ごした日本デザインセンターで、ご一緒していた時期があります。
のほほんとしつつも、きっぱりと自分のペースでするすると進む波間さんは、自由につるを伸ばすツル性植物のよう。一緒にいてここちのよい方で、姿を見つけるとつい「あ、波間さんだ!」とうれしくなってしまいます。いまやとても活躍されているので、先輩と言ってくださると少し照れくさいのですが、こうして今もつながっていることをとてもありがたく思っています。
ところで私は、会社を辞めて独立したのと同時に、農業大学の地域創成学科に入学し、ようやく4年生になりました。夏休み最終週の今は、山形県酒田市の小さな地域芸術祭の運営を手伝いながら、卒業論文と格闘している真っ最中です。
ちなみに卒業論文は、「植物発電を用いた土壌教育」をテーマにしています。造園学やグリーンインフラが専門の先生のゼミで受け継がれてきた植物発電(植物や土の中の微生物の働きを利用して電気をつくる技術)の研究を、土壌教育に活かせないかと考え、公立の小学校や夏休みの環境関連イベントなどで、小さな授業をさせていただきました。
社会人大学生になってから、あっという間に4年生。入学当初はあどけなかった同級生たちも、すっかり大人の顔つきになって就職先を決め、卒論の中間発表などでも立派な意見を述べています。
それに比べて、私は成長できたのでしょうか。たった4年で何かの専門家になれるはずもありませんが、生態学、土壌学、測量学、庭園論、そして里山について……。そんな学びを少しずつ重ねることで、農家の方、測量士の方、造園家の方といったプロフェッショナルや地域の守り手に対する理解と尊敬が、ぐっと深まったように感じています。
それだけでもいい。見え方が変わるって、すごく大きなことだと思います。専門家になるというよりも、専門的でわかりにくいことを、わかりやすく紐解いて伝えていく。これからはそんな役割を担っていけたらと、今は考えています。
このリレーコラムではあえてテーマを絞らず、気負わずに日々のことを綴っていくつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。
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