リレーコラムについて

ジーンと気持ちいい

曽原剛

みなさんは、人からやさしくしてもらった時、カラダに何か変化は起きますか?

突然そんなこと聞かれても、何のことやらわからないかもしれませんが、
僕は子供のころから、やさしくされるとカラダが痺れるんです。
よく、感動することを「ジーンとする」って言いますよね。
僕の場合、まさにその言葉通り「ジーン」とカラダが痺れるんです。
なんとなくそう感じるのではなく、それはもうはっきりした感覚で。
頭のてっぺんからはじまり、じわーっと下へ下へ広がっていきます。
最後は手足の先まで痺れ、全然力が入らなくってしまいます。

本屋に行って、見つけられない欲しい本を懸命探してくれてる店員さん。
交番で道を尋ねたら、しょうがねえなあと地図を広げるお巡りさん。
遠距離キップを買いにいったら、時刻表で最短ルートを探す駅員さん。
どれもこれも、彼らとしては当たり前のことをしてくれているのですが、
僕はそういう場面でジーンと痺れてしまいます。自分のために一生懸命に
なってくれているのが、やっぱり嬉しいんですよね。
だからこれ、すごく気持ちいい。

小さい頃は、いろんな場面でホントにしょっちゅうジーンと痺れてましたが、
なんだか最近は、そうなるシチュエーションが決まってきてしまいました。
大人になって、感受性が退化してきた証拠でしょう。いかんいかん。
自分の純粋さを確認できる数少ない感覚なので、消えてしまわないよう、
これからも大事にしていきたいと思ってます。だって、やさしさを
ありがたいって思うのでなく、気持ちいいって感じられるのって、
なんかいいじゃないですか。

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NO
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