リレーコラムについて

新聞は読むな、感じろ!

中道康彰

リレーコラム3日目です。
書き始める前に、一応、テーマは自分なりに決めていました。
「せっかくやから、なんか参考になるかもしれん話」にしようと。
でも、金曜日まで参考になる話を続けられるかどうか自信がないので、
宣言するのは控えていたのです。
で、自信ができたかというと、そんなことはありません。
ただ、今日も、思い出したことがあったので、書いてみます。
27歳の春のことでした。
先輩にへんなことを言われたのです。

「ところでお前、日経新聞読んでるんか」
「え?取ってますよ」
「読んでんのか、ゆうて聞いてんねん!」
「まぁ、ときどきは」
「うそつけ。お前、世の中で起こっとること、何も知らんやろが」
「そうですけど、何で急にそんなこと言いはるんですか?」
「客から電話かかってきたんや。お宅の中道君、うちが上場することも知らんかったで、ゆうてな」
「あ・・・そうなんですよ、たまたまその日は見てなかったんですよ」
「言い訳すな。お前、明日からチーム会で毎日報告せぇ。コーナー作ったるさかい」

今から思えば、27にもなって新聞も読んでいない自分が恥ずかしいのですが、
どうも嫌いだったのです。あの体裁が。
いつも、広告だけ見て終わり。でも、明日から報告しないといけない。
憂鬱になって、寝るのもいやになってきます。
でも、業務命令だから仕方ないので何とか1週間くらいは続けたでしょうか。
そのうち、けっこう本気で悩みだしたのです。
こんなことさせられているヤツ、社会人で俺ひとりじゃないのか?
新聞読むも読まんも、コピーと何の関係があるのか・・・。
俺は、新聞を隅々まで読んでる営業マンよりコピーうまいで・・・。
嫌や。とにかく嫌や。
そんなとき、フリーのライターさんと飲みに行って、
愚痴をぶちまけたんです。

「僕ね、朝起きて新聞読んで、チーム会で毎日報告せなあかんのですよ」
「へぇ、そらええこっちゃね」
「そうですかね。僕はそんな時間あったら秋山晶全仕事を読んでいたいですわ」
「ん?なかみっちゃん、なんか勘違いしてるんちゃうか」
「何がですのん」
「ひょっとして、新聞読んでるんやないやろね」
「読んでますよ、もう、隅から隅まで。おかげで寝不足ですわ。もう会社もやめたい」
「あかんわ。わかってない。新聞は読んだらあかん。感じるんや」
「でた。またわけのわからん話や」
「何ゆうてんねん。作詞家の阿久悠はやね、ベタ記事1本で、何曲でも書けるらしいで」
「へぇ、そうなんですか・・・」
「そうや。なんかの本に書いたあった」
「ネタがつまっとるゆうことですか」
「いや、違う。ニュースの意味なんかどうでもええ。要は、それ読んで感じたことが大事なんや」
「ほう、なるほど」
「殺人あるやろ。その背景がちょっと載ってるわな。そこから何を感じるか」
「社会情勢とか?」
「アホ、違う。もっと、なかみっちゃんの感性に訴えてきたことが大事なんや」

新聞は読まずに感じる。これはなかなかいいですよ。
ニュース報告の義務はそのうちなくなりましたが、
おかげで僕は、新聞を読むのが楽しくなりました。
もう、ほとんど空想の世界にひたりっきり。
会社の役員人事なんかも、見たこともない人の名前が載ってるだけですが、
けっこう面白い。その会社の組織風土なんかも空想できたりします。

これは、人それぞれでしょうが、
読まずに感じるというやり方は、ぜひお試しください。

今日は、急いで書きました。
いつも以上に乱文だと思います。
ご勘弁ください。

では。また明日。
堺筋本町のほうで、接待があるので、行ってきます。

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