リレーコラムについて

カレー好き

大石真規子

私の住んでいる浜田山には、とてもおいしいカレー屋さんが
あります。駅を出て、まっすぐ歩いた商店街の最後にある、
「レモンの木」。具がほとんど溶けちゃってるカレーなんで
すが、もう毎週のように通ってます。そういえばこの季節に
なると思い出すカレーがあります。それこそ、中毒のように
作っては食べていました。筍カレー。いけます。ホントに。
当時住んでたアパートの大家さんも、いい匂いだったワ!と
言ってくださいました。とてもやさしい方でした。

「どこからか、カレーの匂いがしてくるじゃない。アタシと
娘でおにぎりつくってたんだけど、もういっぺんにおなかが
空いてきちゃってねぇ。ホホホ」と朗らかに語る大家さん。
その日、つまりカレーの匂いがした日ですが、大家さん一家
は昇仙峡へ一泊旅行へお出かけになるところだったのです。
私は、身の置きどころがない思いで聞いていました。
「そのうちに、なんか焦げ臭くない?って娘が言い出して。
そう?なんて言ってたら、本格的に焦げた匂いになっちゃっ
たから、ああ、どこの家かわかれば教えてあげたいなぁって
思ってたの。」呼吸まで、だんだん苦しくなってきました。
「ふっと窓を見たら、のろしのように白い煙りがネ・・」

もうお分かりですね。それは、私の部屋の台所の窓から出て
いたのです。前の晩、徹夜明けの開放感から飲み過ぎた私は
カレーの鍋を火にかけたまま眠ってしまったのでした。目が
覚めたのは、翌日の昼過ぎ。なんとなくいつもと部屋の空気
が違うと思ったのですが、お風呂に入り、歯を磨き、お茶を
飲もうと台所に行き、そこで真っ黒な炭と化したお鍋を見る
まで、自分のしでかしたことに全く気づかなかったのです。
「あ、大石さん!ってびっくりして、大急ぎでカギをもって
行ったのよ。それで、あわてて火を止めたっていうワケ。」

どうして、私起きなかったんでしょうか。そんな大事になり
ながら、それでもグースカ寝てたんでしょうか。もう、頭は
大混乱です。人間失格という言葉が浮かびました。

「起こそうと思ったのよ。起こしたほうがイイのかなって。
でも、アタシ、できなかったぁ。だってあなた、笑いながら
寝てたんだもん。幸せそーに。起こせなかったワぁ。」

なんという、やさしさ、心の広さでしょう。いくら感謝して
もし足りません。この大家さんがいてくれなかったら、いま
コラムを書くどころじぁなく、私はこの世にいなかったかも
しれません。これからも、大家さんの家の方には絶対に足を
向けて寝ないことを誓います。

だらだらと(ちと長過ぎました)くだらない話におつきあい
いただきまして、ありがとうございます。来週は、昨年一緒
に新人になったオグルヴィの高藤晴透さんです。世の中って
狭いねぇと、3回くらい言い合った仲です。お楽しみに!

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名前
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