リレーコラムについて

まだまだです。

赤城廣治

それは今年の7月1日のことでした。
TCCの総会が六本木の順徳というところで行われました。
僕はTCCの幹事をやっています。当時は
研究部の部長をしていましたので、
決算報告をしてホッとひと息。総会後のパーティーで
くつろいでいました。すると「赤城くん」と
僕に声をかけてくださる方がいました。
ビールを飲んで少し赤くなった顔を
その声の主に向けた瞬間、僕の胸は高鳴りました。
思い思いに談笑しているTCC会員の間をすり抜けて
こちらへ歩いてこられたのはTCC会長、秋山晶さんでした。

会長は実にやさしく微少をたたえられながら
ゆっくりゆっくりと近づいていらっしゃいました。
そしてあろうことか、僕に右手を差し出されたではありませんか。
「赤城くん。2年間(研究部部長の任期です)ごくろうさま。
 ありがとう」僕の手を握りしめながら確かに会長は
そうおっしゃいました。そうでなくとも常日頃から、
会長はご多忙の中にもかかわらず、毎月の幹事会や
行事などにお顔を出してくださり、僕らに労いのお言葉を
かけてくださっていて、それだけでも僕のような
ハナタレは、うれしいなあ、がんばれるなあと、
感激していたのに。握手はほんの一瞬だったのでしょうが、
僕には時が止まったかのように感じられました。
この方の本(秋山晶全仕事)を学生時代、ボロボロになるまで
読んだんだよな〜と、うっとりしていると、やがて
握手する会長と僕に視線を注いでいるまわりのTCC会員の
みなさんがすべてストップモーションになり、
僕の心臓の鼓動だけがSEとして使われている。
そんな映画の一シーンにいあわせたような錯覚に
みまわれました。やがて、会長は丁寧に会釈され、
また人の波をすりぬけるようにして格調高く立ち去られて
いきました。その後ろ姿が僕に語りかけました。
「がんばれ、ワカゾー」。

僕はしばらく放心状態になり、
会長と握手を交わしたその手をじぃーっと見つめていました。
そしてすごく嬉しかったのに、すぐにせつない気持ちが
込み上げてきました。憧れの会長に握手して
いただけたことは光栄なことです。でも、しかし、と
思ったんです。いつかは。いつになるかはわかりませんが。
いつかはきっと「赤城くん。君のあのコピー、素晴らしかった」
と握手していただける、そんな仕事をしたいなと
心の底から思ったんですね。幹事会の赤城ではなく、
なかなかいいコピーを書くコピーライターの赤城として
会長の記憶の片隅に残る男になりたいと。
そのとき抱いた決意は、その後、今に至るまで、
僕のモチベーションになっています。

まだまだです。赤城廣治というハナタレは、残念ながら
まだまだ。ただ年齢的には「もう」と言われてしまう35歳。
最近では代理店での打ち合わせの席で、
「赤城ちゃん、うちの若いコピーライターの○○。
 一緒にチームに入るんで鍛えてやってね」なんて
言われることが多くなってきました。そういうこの時期を、
30代後半という大事な歳月を、僕は悔いのないように
過ごしていきたい。なんか、コラムの最後で
急に真面目になっちゃってカッコ悪いかもしれませんが、
それが今の僕なんです。コラムを読んでくださった方なら
おわかりかも知れませんが、僕は今まで、実に
たくさんの優秀な方たちに出会い、その方たちから
多大なの影響を受け、それをチカラに変えて、
なんとか今日まできました。野球でたとえるなら、
天才的な投手ではなく、気持ちで投げるタイプ。
晩年のヤクルトスワローズの荒木大輔や今年巨人に
映った武田みたいなタイプです。人一倍練習して
気持ちが切れないように投げないと打たれてしまう…。
アレ?なんか話がそれてきちゃってます?
スミマセン。とにかくまだまだなので、
まだまだ頑張らなくては、ということですね。

また話が長くなりそうなので、この辺で
次のコラム担当の方をご紹介します。
現在、TCCの幹事会でもお世話になっている
リクルートの田口博史さんです。
警視庁のポスターなどの仕事でご記憶の方も
多いと思いますが、すごくイイ男です。
イケメンとか言われてます。ちょっと悔しい。
というかかなり羨ましい。それでいて、
ちょっとやそっとのことでは決して動じない
骨っぽい(生意気な言い方ですみません)男です。

では、田口さん、コラム愉しみにしてます。
それでは失礼いたします。

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