リレーコラムについて

なごり

鵜久森徹

<火曜日のコラムを書き忘れたので、おわびに>

松茸ってお好きですか。意外と好き嫌いがわかれるよう
です。私の知り合いは「おがくずの臭いがして苦手」という
人もいます。今では韓国産の手ごろな値段のものもたくさん
出回っているので、昔ほど高価な印象はありませんが
それでもやっぱり秋の貴重なおいしさです。

食べ方としては「土瓶蒸し」が人気のようですね。
昨年、松茸をそのまま焼いたものを食べたのですが、
これはこれで香ばしくて、とてつもなく旨かったです。
小さな七輪に半分に切った松茸を乗せて炭火であぶる。
頃合いを見計らって、店の方が松茸を裏返すタイミングを
教えてくださるのです。次第に、独特の香りが
目の前に漂ってくると、まだ焼けないのかと思わず
箸を伸ばしそうになってしまいました。忍耐、忍耐。
もちろん、この時の松茸の味は格別だったのですが
それ以上にうまいなぁと思ったことがあります。

私が松茸を食べたのは11月の中頃。
旬を過ぎて、松茸はもうおしまいの時期です。
この日、店の人は、松茸を運んできてこう言いました。
「なごりの松茸でございます」
なんて旨そうな言い方でしょう。

「なごり」以外にどんな言葉がいいだろうと考えたのですが
「おしまい」ではそのまんまだし、「お別れ」では辛い。
「惜別」では難しい。「お古」ではイヤでしょ。
「おませ」でもピンとこないんですよね。

う〜ん。
いい店って、旨そうに見せるのが上手ですよね。

NO
年月日
名前
5719 2024.07.12 吉兼啓介 短くても大丈夫
5718 2024.07.11 吉兼啓介 オールド・シネマ・パラダイス
5717 2024.07.10 吉兼啓介 チーウン・タイシー
5716 2024.07.09 吉兼啓介 吉兼睦子は静かに暮らしたい
5715 2024.07.08 吉兼啓介 いや、キャビンだよ!
  • 年  月から   年  月まで