リレーコラムについて

あなたが希望であり、未来である。

橋口幸生

古典文学を読んでいると、
ストーリーとは全然関係のない
風景描写が延々と続き、驚くことがあります。

これはかつて「外の世界を見たい」という願望に応える
唯一のメディアが小説だったことが理由なのだそうです。
人間が自由に世界中を旅行したり、
テレビやウェブで外国の様子を
見られるようになったのは、つい最近のことなのです。

メディアのあり方が、コンテンツに及ぼす影響は大きい。

広告コピーは、テレビやグラフィック媒体での
発表を前提に進化・多様化してきました。
しかし、ウェブが登場したことで、
コピーのあり方も変化するのではないか?

そんな問題意識から、ウェブで話題になった
コピーについて自分なりに調べ、
「100万回シェアされるコピー」という本を書きました。
シェアされ、バズになるコピーについて分析し、
体系化した、たぶん初めての本だと思います。
http://amzn.asia/cpTQWR1

しかし、本当はもっと手っ取り早く
コピーでバズを起こすことができます。

それは「弱いものいじめ」をすることです。

いまソーシャルメディアを眺めていると、
貧しい人、ハンディキャップのある人、外国人など、
自分とは異なる存在や、自分より弱い存在への
悪意に満ちた言葉があふれています。

かつては人前で言うことが憚られた言葉が
堂々と発信され、流通していく。
そしてそれはウェブにとどまらず、
現実世界に大きな影響を及ぼす。

言葉の暴走が、世界をどんどん不寛容にしています。

しかし、安易に呪詛の言葉を
撒き散らす人がいる一方、
言葉について真剣に悩み、
考える人もたくさんいます。

上述の拙著には、前向きな感想を
たくさん寄せていただきました。

コピーの講座やワークショップを
開催すれば、大勢の人が集まります。

このリレーコラムも、結構なPV数があります。

いまこの文章を読んでいる皆さんこそ、
言葉の希望であり、
未来ではないかと思うのです。

リレーのバトンは西島知宏さんにお渡しします。

コピーライターとして活躍しながら、
ウェブメディア「街角のクリエイティブ」や、
オンラインサロン「明日のライターゼミ」を主催されるなど、
コピーの未来、言葉の未来について、
もっとも積極的に
取り組んでいる方のひとりだと思います。

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