リレーコラムについて

ねるねるねるね、とか。

公庄仁

ブレーンの「名作コピーの時間」用に
書かせていただいた文章。
サン・アドの島田さんや福地さん、
さらには内藤さんに安藤さんまで
尊敬する人たちに褒められたのでまた調子に乗って再掲。
決してコラムの省エネではありません。

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◯ねるねるねるね(クラシエ/1986年)
◯タラタラしてんじゃねーよ(よっちゃん食品工業/1990年)
◯もも太郎(セイヒョー/昭和20年代)

4歳の娘が大好物のトマトを食べたあと、
「うまいっ…テーレッテレー!」と発した。
元ネタはもちろん「ねるねるねるね」の魔女のCMであるが、
四半世紀前の名作を娘が知るわけはない。
私は未だに自分が無意識で「ねるねるねるね」の
ナレーションを呟きながら食事をしていることに気づかされた。
「ねるねるねるね」という呪文のような名は、
言語が意味や論理である以前に呪術的なものである
ということを思い出させてくれるが、
その呪力は世代を超え私の家族にも影響を与えている。
感銘を受けた私は、しばらく1日3食を「ねるねるねるね」で過ごした。

よっちゃん食品工業の駄菓子「タラタラしてんじゃねーよ」も
素晴らしいネーミングだ。
原料が鱈だから「タラタラ」というワードがでてきたと推察するが、
「〜してんじゃねーよ」と自らに異を唱えることで、
タラに安住しようとする自己の存在を否定している。
「原料にタラを使って、タラのような味がつくれたらそれでいーのかよ?
俺たちのつくる駄菓子ってそんなもんかよ!」
という熱い思いが伝わってくる。
余談だがパッケージも秀逸で、
パンクロッカーがイカの格好をした謎の人物にシャウトしている。
これが、同社のヒット商品「よっちゃんイカ」に対する
気概のメタファーであることは言うまでもない。
「タラタラしてんじゃねーよ」は、
私の書く凡庸なコピーに対していつも
「コピーコピーしてんじゃねーよ」と
檄を飛ばしてくれるようで身が引き締まる。
近々、座右の銘として右腕に彫ろうと考えている。

新潟の有名なアイス「もも太郎」とは出張先で偶然出会った。
地元では圧倒的な認知度を誇るアイスらしい。
一瞬、「新潟なのに桃太郎」という組み合わせに戸惑ったが、
ご当地商品だからといって、
その土地のキャラクターを使わねばならないという法はない。
桃太郎は岡山の専売特許ではないのだ。
また、驚くことに「もも太郎」アイスは桃味ではなく、イチゴ味であった。
しつこいようだが、桃太郎モチーフだからといって桃味である理由はない。
その自由な発想は、つまらない固定観念に縛られた私に風穴を開けてくれる。
ちなみに裏面の原料を調べてみると、
桃もイチゴも一切使われておらず、リンゴ果汁が使用されていた。
さすがに頭がくらくらした。

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サン・アド/POOL inc. 公庄仁
hitoshi_gujo@sun-ad.co.jp
※現在サン・アドでコピーライターを募集中です。
http://www.sun-ad.co.jp/outline/employment.html

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