リレーコラムについて

余計な力が、(ほんの少しだけ)抜けてきた。

渡辺潤平

フリーランスになって、気がつけば10年目に突入していました。
会社を辞めたのが29歳の時。
いま思えば、無謀としか表現のしようがないし、
いま、僕の横に当時の自分がいたら、全力で止めていると思います。

10年で、いろんな経験をしました。

こういうコラムを書くと、感傷的になりがちなもので、
辛かった思い出のひとつひとつが、今日の自分を支えている、なんて
うっかり書いてしまいがちですが、辛かったものは辛かったです。
過去のどの時代にも、戻りたいとは思いません。

自分自身について見つめ直してみると、
つい数年前までの自分が、全身から火が出るほど恥ずかしくてなりません。
自分を過剰に大きく見せようとしたり。
自分の存在感を必要以上に印象づけようとして、
乱暴で無神経な言葉や振る舞いを繰り返したり。

イタいですよね、そういう人。
けれど、それに全然気づいていなかった。
必死に自分をアピールすることが、生き抜く術だと思いこんでいたのか。
ただ単純に、いい気になっていたのか。
おそらく両方だったのだと思うのですが。
そんなあるとき、身近な人にこう言われたんです。

自分のことを話してるときの潤平さん、
あんまりカッコよくないですよね。

そのひと言で、目が覚めました。
無駄に入りまくっていた肩の力が、するすると抜けていくのがわかりました。
自分を大きく見せることばかり意識するのでなく、
自分のステージを上げることばかりを考えるのでなく、
できるだけ人に迷惑をかけずに、自分にできることをやっていく。

魑魅魍魎ひしめく広告界。
人ぞれぞれに哲学と生き方があるとは思いますが、
しばらくは、僕はこのやり方で生きていこうと思います。
もちろん、うまくいかないことも多いですが。
日々、勉強ですね。

NO
年月日
名前
6005 2025.11.26 安達岳 つくっている人の前で、つくっている人だよ。って言えるようになりたい。
6004 2025.11.25 安達岳 大きな声
6003 2025.11.21 水野百合江 趣味が高じて
6002 2025.11.20 水野百合江 いや、めっちゃわかる
6001 2025.11.19 水野百合江 おすわり、待て
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