リレーコラムについて

カンヌに足りなかったもの

川地哲史

そういえば、
今年のカンヌは何かが足りなかった。

全体的にはもちろん発見もあったし、
ご多分に漏れずR/GBのビジョンに興奮したのだけど。
( ここに詳しいです→http://mag.sendenkaigi.com/brain/201509/cannes-lions-2015/005915.php )

なんでだろう。

クリエイティビティーより問題解決の大きさが
評価されているのでは?と言う議論も参加者の間であった、  
いわゆる「ソーシャルグッド的なもの」に対してより多く喝采を送る姿勢は、
今に始まったことではないし。

なんだろうなんだろう、
とずっと考えていて
この間やっと答えを見つけた。(遅い)

「高揚感」が足りないのだ。

P&Gの「#LikeAGirl」はブランドによるソーシャルチェンジという新機軸を生み出したし、
GEICOの「Unskippable」はYouTubeのプレロール広告のルールを破壊したし、笑っちゃうし、
VOLVOの「LIFEPAINT」はイノベーティブだったけど、

(※事例のYouTubeリンク下にまとめています、すいません!)

Gatoradeの「REPLAY」とか、
Heinekenの「auditorium」とか、
最近の日本の受賞作で言えば
九州新幹線「祝!九州横断ウェーブ」とか、
のどごし「夢のDREAM」とか、

鳥肌が立って、感情が高ぶって、
感動ともまた違う涙が出てしまうような
そういう「高揚感」をもった事例に今年は遭遇しなかったなと。

広告コミュニケーションにおける成功のカタチのひとつは、
この「高揚感」を見ている人に感じてもらうことなのではと思う。
鳥肌を信じないひとはいないから。

そして、この「高揚感」というものは
不特定多数の人間が、非日常の空間の中で同じ方向を向いた時に生まれる気がする。

これに関する僕の原体験は
中学生の時にTVで見ていた「アメリカ横断ウルトラクイズ」である。

東京ドームに響き渡る福留さんの「ニューヨークへ行きたいか!」のシュプレヒコールと
数万人の熱気を帯びたレスポンスに始まって、

一緒に旅する仲間を蹴落とさないと先に進めない「仕組み」
間違えると泥んこプールに落下するドロンコクイズのような「演出」
敗退者に罰ゲームで仕掛けられる「ドッキリ」
という、非日常を構成するコンテンツの山。

そして、時には仕事さえ辞める覚悟で長期の旅を続ける選ばれた挑戦者たち。
人生をかけてこの非日常のお祭りを楽しむのだ。

ああ鳥肌。

そう、僕はまさにこの番組に触発されて企画の仕事を志すようになったのです。
コラムを書いていて初心を思い出すという。

一刻もはやく、
高揚感のあるものを生み出せるようになるべく、
日々精進致します…

——-

P&G「#LikeAGirl」 https://www.youtube.com/watch?v=XjJQBjWYDTs
GEICO「Unskippable」 https://www.youtube.com/watch?v=pvcj9xptNOQ
VOLVO「LIFEPAINT」 https://www.youtube.com/watch?v=AJjbmFMz_l0

Gatoradeの「REPLAY」https://www.youtube.com/watch?v=fMI3kti0nrY
Heinekenの「auditorium」https://www.youtube.com/watch?v=Qs67YkLzoI4

NO
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4582 2018.11.18 片岡良子 阿闍梨餅
4581 2018.11.17 片岡良子 ひたち20号
4580 2018.11.15 片岡良子 ひたち5号
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