リレーコラムについて

「橋本って、こんな字やったっけ?」

橋本晋明

先月、家を買いました。
夢のマイホームと呼ぶにふさわしい、真っ白な家です。
びっちり35年ローンです。

新しい家に引っ越して
毎週のように必要なものを揃えていっているのですが、
嫁と僕では、こだわるところが全く違うんですね。

嫁は、やれカーテンの色だとか、やれテレビのサイズだとか、
非常に現実的なものに頭を悩ませています。

一方、僕がいちばん悩んでいるのが、「表札」です。

表札って、大事じゃないですか。
これから35年間、死ぬ気でローンを払っていくのに、
表札の「橋本」という文字が気に入らなかったら萎えますよね。
人生を捧げるにふさわしい「橋本」であってほしいじゃないですか。

毎朝、駅までの道を歩いて、
いろんな表札のフォントを見たのですが、どれもピンと来ない。
これはもう自分で書くしかないと、
筆ペンで何度も書いてみたものの、どうもピンと来ない。

で、決めました。
「親父に書いてもらおう!」と。

親父は今年、75歳。
僕より40年近く「橋本」を生きてきたワケですから、歴史が違いますよね。
きっと「橋本」らしい「橋本」を書いてくれるに違いありません。

ということで大阪に住む親父に、
筆と墨汁と大量の半紙を送ったのが、2週間前。

昨日、親父から
「橋本って、こんな字やったっけ?」と電話がありました。
いわゆる“ゲシュタルト崩壊”というヤツですね。
相当なストレス状態にあるようです。

そして、母親から
「だいじょうぶ?お父さん、笑いながら習字してるけど…。」と
電話がありました。そろそろ壊れてしまうかもしれません。

笑顔で「橋本」を書きつづける橋本正明。
ちょっと荷の重い仕事かもしれませんが、彼ならやってくれると信じています。なんと言っても彼は、75年モノの「橋本」なんですから。

僕のリレーコラムの担当は、5月8日まで。
それまでに橋本正明の渾身の「橋本」が届いていたら、
みなさんに見ていただこうと思います。

では。

NO
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