リレーコラムについて

使い方

原田睦子

最近、個人的に気になることについてお話しようと思います。

この半年程クライアントにいく度に、そして社内で打ち合わせをする度に
飛び交う言葉があります。それは、「○○感」。
通常の「高級感」「不快感」ではなくて、

「さわやか感」「メジャー感」「スペシャル感」「新登場感」などのことです。

なんだかそのまま
「さわやかにしてください」
「ほら、もっと有名タレント使ってバーンと」「なんか派手でいいねえ」
「もっとキャンペーンがスゴく見えるコピーないの?」
「新登場!ってすぐに出てくる企画で!」

って言うより格段にかっちょよく、概念っぽくまとめ、
かつ業界のエッセンスを感じさせる言葉です。
そして言われた人を「うんうん、そうですよね」と、
解っているような反応にさせる威力すら、ある。

では、いつから使われるようになったのでしょうか。
なんて、過去について考えるのも不毛なので、この言葉の
キャパシティを検証してみましょう。

遠回しな言い方なので、相手を傷つけずに非難するときにも
いいかもしれません。

おこりんぼ感———–ありですね
ちらかしやさん感——-ありですね
そろそろ別れたい感—–ありですね
2番目に好き感———ありですね
最低な人感————-ありですね

ちなみに、小学館の現代国語辞典では、
”接尾語的に他の語について、そのような感じであることを表す”
とあります。つまり、”そんな感じがする”ということなら、
どんな使い方でも正しい。

だったら、こんなのはどうでしょう。
会話例1
妻: あなた、「浮気してる感」があるけど・・・
夫: そうか?「気付ちゃいるが、ほっとかれている感」があったんだがなあ。

会話例2
男子: 「たった今、駅で転んじゃったけど平気さ感」だしてみたんだけど、
どお?

女子: 「平気さ感だしたけど、痛くて涙ぐんでる感」あふれてるよ。

もっと新しい使い方、見つかりましたら
ぜひ教えてください。
では。

原田睦子の過去のコラム一覧

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2900 2011.02.09 出産前夜
2899 2011.02.07 ネーミング
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NO
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5692 2024.04.21 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@ヘラルボニー
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