リレーコラムについて

母性はいつごろ湧いてくる?

石田文子

こんにちは。5月に子どもを産んで、
どっぷり育休中の石田です。

さて、今日は「母性」について書こうかと思います。

私は、子どもを産めば自動的に
母性がふつふつと湧いてくるのかと思っていました。
確かにホンギャーと生まれてきた瞬間、
元気に生まれてきてくれたことに
ホッとして泣けてきました。
しかし、母性が湧いてきたかというと
うーん、よくわからない。

生まれてきた赤ちゃんを見つめていても
「我が子よ!」
という感覚よりは
「これ、キミにあげるから大事に育てなさい」
と神様から預かった
まさに“授かり物”のように感じました。
天からやってきた
得体の知れない小さな生き物。
首なんてクランクランだし、
驚くほど軽くて壊しちゃいそうでなんだか怖いし。
抱くのもおっかなびっくりで、
おっぱいすらうまくあげられない。

昨日もちょっと書きましたが
「この乳首、吸いにくいんじゃ!」と拒絶され、
ムリに飲ませようにもさらにぎゃん泣きされ、
「最初はしょうがないわよー」
と助産師さんが哺乳瓶でミルクをあげると
ゴッキュンゴッキュン飲むんですよ。
哺乳瓶に負けた。
私、母なのに。。。とプライドはズタズタです。

「じゃあママにおっぱいもらってねー」
といって赤子を置いていかれたりすると、
去っていく助産師さんの背中に向かって
「2人にしないでー!」
と心の中で叫ぶ始末。

わからない、わからないよ。
母なのにぜんぜんキミのことがわからない。
「わかるわよ、おなかを痛めて産んだ子ですもの」
なんてドラマのセリフ、
まったくの嘘っぱちじゃないか!

そのうち、私は開き直りはじめました。
しょうがないよな、わかんなくたって。
だって、産んだからって
知り合いじゃないんだし、初対面だし。
まだ数ヶ月のつきあいなのに
わかるわけないじゃーん!あははははー!
おいおい、母性はどこいった。

その後も、ばあば(私の母)の方が
抱くと泣き止んだり
寝かしつけるのがうまかったりで、
さらに母としてのプライドは粉々に。
母性が深まる気配はありません。

さすがに4ヶ月近く経ったこの頃は
子どもから「乳がでる人」と
認識されはじめたので、
少しだけ母親風になってきたかもしれません。

でも、
「おっぱい飲んだしゲップでもするかね」
と背中をトントン叩いていて
ゲボリーとミルクを吐かれたりすると
「あーあー」と
とっさに自分の服を拭きそうになり、
「あっ、いかん。こっちが先だった」
と子どもの口をあわてて
ふきふきする時があります。
そんな時は、えへへと
笑いかけてごまかしていますが
内心、軽蔑されていないか心配です。

うーん。母性への道は険しい。

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