リレーコラムについて

コピーvsジブン ~あのとき新人賞とれてよかったぞ篇~

和田佳菜子

いつもお世話になっている都築徹さんから
『妊婦となった彼女の、いましか書けない話。』
というフリでバトンを受け取りました。
電通中部支社の和田佳菜子です。
コピーライター歴7年目、ただいま妊娠7ヶ月です。

う~ん…。
妊婦になって変わったことなんてあったかなぁ…、
“いましか書けない”ことなんてあったかなぁ…、
とグルグル悩んでいたさなか、
今度の8月9日(土)に30歳を迎えることに気づきました。
【9月から突入する産休直前のリレーコラム】、
【20代最後の5日間を捧げるリレーコラム】。
そう考えると、
コピーライターという仕事にひと区切りをつけ、
コピーとの戦いの歴史を振り返ってみるのに
ある種、神がかったタイミングかもしれません。
しかも3年前、新人賞受賞の夏に頂いたバトンは
至極どうでもいい私的雑談に費やされていたので、
今回はコピーの話から逃げないように頑張ってみます。

わたしは「親子で考える環境問題」という
日経新聞主催イベントの新聞広告・ポスターで
2011年に新人賞を頂きました。
この仕事は電通名鉄コミュニケーションズの森俊博さんに
手取り足取りコピーを見て頂く毎日から生まれました。
当時、コピーを書きはじめて3年目。
ただでさえ未熟者だった自分にのしかかったのは
「環境問題」という手垢にまみれたテーマでした。
自治体が子供たちに描かせる環境ポスターや、
企業がCSRとして発信する環境広告などが氾濫する中で
(電通社内でいうと「環境スローガン」という敵も…)
いかにして“新しい発見”を言葉にしていくか。
ふだんはデスクのパワポでコピーを考えるのですが、
あまりの苦悩から倉庫のような狭い会議室に閉じこもり、
大量の紙と1本の鉛筆を握りしめつつ
コピーになりそうな視点のかけらを拾い集める日々。
書いて書いて。森さんに見せては撃沈。再び書いて書いて。
そんな昼夜を問わない“ザ・若手コピーライター”な経験を
どっぷり、がっつり、喰らうことができた数ヶ月でした。
自信喪失を何度もくり返すなかでの不安感、
このチャンスを掴み切れるかという焦燥感。
2度と経験したくないようなヒリヒリした感情の果てに、
結果が出る喜びを初めて体験できたありがたい仕事でした。
「コピーvsジブン」の在り方にやっぱりひとつ、
ターニングポイントをくれた仕事だったと思います。

NO
年月日
名前
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