リレーコラムについて

KEY LIME PIE IN KEY WEST

岩井俊介

前回からの続き。

21世紀の第一日目。
アメリカを渡るというとりあえずの目的は達し、
あとはひたすら南を目指す。
同時に、暖かくなってゆくのを祈る。
だが「フロリダは歴史的な寒さです」とCNN。
何とかしてくれ。
海パン持ってきてんだから。

大西洋沿いのUSハイウェイ。
小さな跳ね橋を越えると、
WELCOME TO FLORIDAの文字。
ついに最終州。
心なしか、暖かさと湿気が増える。

JACKSONVILLEの道路は「なんとかボール」のせいで大混乱。
迷路のような交通規制をかいくぐり、ビーチへ。
後はひたすら海に沿って走る。
DAYTONA BEACHで一泊。
季節はずれのビーチリゾート独特の
眠ったような空気。
翌朝、
ブライトン風ピアのたもとで
イタリア系オヤジの作った、
ミートボールピザサンドを食う。
美味。

今回の旅で、唯一の観光地らしい観光地、
J.F.KENNEDY SPACE CENTERへ。
ホントはアポロ発射台の廃墟が一番見たかったのだが、
そいつらは、
ケープカナベラル空軍基地の奥深くに眠っているらしい。
いろいろアプローチを試みるも、
RESTRICT AREAの一点張りで入れず。
観光客に紛れて一般ツーリスト施設へ。
「宇宙グッズ」を買いあさる家族達。
お持ち帰りできる、アメリカンドリーム。
観光地は、ただ、ただ、疲れる。

PORT ST.LUCIEの
BEST WESTERN ALL SUITEに泊まる。
「一部屋も、家具で仕切ればスイートだ」という宿。

翌朝、フロリダ半島南端を、
グルッと西からまわりこみ、
エヴァグレーズへ。
ワニと、VALUJETのDC9が墜ちたことで知られる大湿原。

そのまま、MIAMIを経ずに、
FLORIDA KEYSに突入。
今夜こそ、とアメリカ最南の、
つまり、この旅最後のWESTINである、
WESTIN KEYLARGO RESORTへ電話。
「予約なんていいです。空いてます。
直接来てください。
お待ちしてます。お気をつけて」と、
感じのいい係のおねえちゃん。
ついに、ついに、HEAVENLY BEDで眠れる。
一泊ではもったいない、極上の快適。

最終日。
快晴。
海は気持ち悪いくらいに青い。
7 MILES BRIDGEを渡る。
「すごい」とは聞いていたが、
この橋の良さは空撮で見なければわからない。
走っているときはタダの長い橋。
走行中のヴィジュアル的凄みは、
ルイジアナのポンチャトレイン湖にかかる橋の方が
格段に上。
ただ、海は、本当に素晴らしい。

ついに、KEY WESTに入る。
名残を惜しむように、スピードを落とす。
落として、落として、
SOUTHERNMOST POINTへ。
アメリカ合衆国最南の地。
静かに、TAURUSを停める。

終点。
この先にもう、ハイウェイはない。
ただ海と、キューバがあるだけ。
2001年1月4日午後。
LOS ANGELES〜KEY WEST間、完走。
全12泊13日。
総走行距離5000マイル弱、約8000キロ。
無事故。速度違反切符1枚。
給油回数、数知れず。

港へ。
軽い脱力感と共に、
名物キーライムパイを食う。

完。

<筆者より>
ここまで、きちんと読んでくださった、あなた。
あなたはいい人です。
ありがとう。
来週は、篠原誠さんです。
お楽しみに。

I fly,therefore I am.
岩井俊介

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