リレーコラムについて

砂と青の旅 <南回り篇>

岩井俊介

ワイデンアンドケネディ・トウキョウの岩井です。

前回(といっても4年前!)のアメリカ横断ドライブに続き、
今回は先月から今月にかけてのチュニジアへの旅を書きます。

「チュニジアへ行く」と言った時のまわりの人々の主な反応3つ。
1、チュニジアってどこなの?
2、チュニジアって安全なの?
3、チュニジアになんかあんの?

簡潔にお答えしましょう。
1、リビアとアルジェリアの間です。(ますますわかんないか)
2、イスラム圏で最も治安が良いらしい。
3、何があるかわからないから旅へ出るんじゃないか。

サハラ砂漠の国への第一歩は、まず台北へ。
というのも、ヨーロッパへのビジネスクラスは中華航空が最安値だから。
一昔前ならアエロフロート、というのが常識。
でも近年は高くなり、
「コリアン」「アシアナ」「中華」が現在の欧州格安ビジネス御三家。
その中でも中華航空は一番安く、
この夏に向けてはちょっとヒトには教えたくないような値段がついている。
(ご興味ありましたら、あなたの旅のコンサルタントshunsukei@wk.comまで)
経由便であることと、過去のフェイタルな事故の多さが気にならないなら、おすすめ。

成田。2タミ。
ゲートで待っていたのは、
ボーイング社のデモンストレーションカラーを身にまとった最新のB747-400。
ボーイング社の最新インテリアを載せた
「ボーイング・シグネチャー・インテリア」モデルのジャンボ。
今のとこ、世界でただ1機。
機内はぴかぴか。すべてがオートマチックなレザーシート。
巨大なタッチパネル式液晶スクリーン。
中華航空、汚名返上の一撃。
幸運。

台北で4時間ほど。
街へ行く時間もないので、ちょっとだけ台湾に入国。
すぐターミナルへ戻る。
新装なったチャイナのビジネスクラスラウンジ。
これが実に優秀。
清潔な個室のシャワールームで汗を流し、
おばちゃんが作ってくれる麺コーナーでソバ。
さらに、蒸したてのダンプリングコーナーで餃子や肉まん。
中華航空、汚名返上のもう一撃を食らう。

次のローマ行きはエアバスA340。
バンコクでワンストップ。
ファーストの設定がないため、ビジネスが最上級クラスとなり、
シートピッチはさらに広め。隣は空席。
機内の快適さは占有面積に比例する。
つまりものすごく快適。
この値段じゃ申し訳ないほど。

深夜2時過ぎ。バンコク・ドンムアン空港。
ここで30分の空白があったら、あなたなら何をする? 
僕は11番ゲート横へ飛んでゆく。
そこのタイ・マッサージはなんと24時間営業。
マッサージ師2人のゴージャスモード30分。
これで1200円ちょっと。
タイバーツなんか持ってなくても、カードOK。
ビバ!タイランド!
新空港に移っても、やめないでね。

朝。
カラダ的には1日の続き。
ローマ・フィウミチノ空港。
ここの案内サインは実にイタリア的。
サインに従って目標に向かうと、目標にたどり着く前にサインが消える。
あとはカンに頼って歩くしかない。
そうしてたどり着いた小さなバス停から、路線バスをつかまえて
空港に隣接するフィウミチノの街へ。
車内で運賃を払おうと乗り込むと、
「ターミナルでキップを買ってくれ」と若い運転手。
もう発車しそうなので、困ったな、という顔を見せると、
「いいよ、乗っちゃって!」とただ乗り許可。
このへんは愛すべきイタリアさ加減。

フィウミチノは、イタリアらしい活気ある小さな街。
運河に浮かぶ漁船と、微かな潮の香り。
空港で時間をつぶすよりはるかに気持ちいい。

さて、いよいよ久しぶりのアフリカ大陸。
チュニス行きアリタリアは少々くたびれたMD80。
機材は古いが、コーヒーはうまい。
いつもながら少々濃いめ。きめ細かなフォーム。
地上3万フィート以上では最良のコーヒー。
かつてローマ帝国人が越えて行った海を約1時間半でぶっ飛ばす。

チュニジアの首都、チュニスへランディング。
55か国目の訪問国。
丘の上に立つ、街唯一の大手外資系、シェラトンにチェックイン。
ウェルカムドリンク&フルーツ。
ホテルのロゴ入りショコラ。ルームアップグレード。
スターウッドホテルズさん、規定宿泊数に達してないのに
ゴールド会員にしてくれて有難う。

旅の第一夜めの宿。その窓の外に広がる風景は重要だ。
バルコニーに立つと、180度のビュー。
かなたまで続く灰白色の町並み。
その向こうに地中海。
完璧。

家を出て30時間以上。
キングサイズのベッドは天国になる。

明日へつづく。

I fly, therefore I am.
岩井俊介

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