リレーコラムについて

人は、酒と生きている。

岩崎亜矢

はじめまして&こんにちは。
大友さんよりコラムを引き継ぎました、
サン・アドの岩崎亜矢です。
これより一週間、よろしくお願いいたします。

ところで、大友さんはよく飲みます。
そして見事なほどブッ潰れます。
しかし、サン・アドの人々は潰れた大友さんの扱いには慣れたもので、

1、 潰れた大友さんを確認する
2、 大友さんのコートやメガネ、財布など所持品を細かくチェック
3、 大友さんを抱えてタクシーに乗せ、
勢いよく運転手さんに行き先を告げ送り出す

この一連の作業が、驚くほどのチームワークで俊敏に行われます。
もちろん飲みの席なのでこの作業を行うメンバーは毎回変わるわけですが、
誰であれ、その場の状況を見ながら見事な連係プレーを取り、
速やかに大友さんを送り出しています。

私はいろんな会社を転々としているので、
歓迎会や送別会というものにはなかなかに縁深いのですが、
以前いたパラドックス・クリエイティブという会社は
若い人が多い会社だったので、
その酒の飲み方、酔い方もかなり豪快でした。

今は、電通でコピーライターをやっている
永友鎬載氏の送別会が特に圧巻で、
至る所に一升瓶が転がる会場では、
男たちが生まれたままの姿になって、
雄叫びを上げながら鎬載さんを胴上げ。
鎬載さんも、周りの男どもも、
みな一様にはじける笑顔、光る汗…。

まあ、客観的に考えるとかなりアホな光景なんですが、
私はその男祭りを見ながらしゃっくりが出るほど笑い、
と同時に、こみ上げるものを抑えることができず、
言葉通りの“泣き笑い”を体験しました。
今でも思い出すたびに、胸がジーンと熱くなります(バカですね)。

そんな私がパラドックスを去る時も、やはり、
とても心のこもった送別会を開催してもらいました。
ただ、私の送別会では一人二人は服を脱いだものの、
“男祭り”の状態にまでは至らず、
“鎬載さんの人徳にはかなわないな…”
という事実を、卒業の寂しさと共に
噛み締めたことを今でも覚えています
(でも、本当にいい会でした)。

さて、そんなこんなでサン・アドに入社し、歓迎会の当日。
入社して間もない時期なので、
会社の人と当たり障りのない会話をこなし、
愛想笑いばかりしていた私は、
「やっと今夜、弾けることができるぜ…」と
徹夜覚悟で会場へと向かいました。

「カンパーイ」のかけ声と共に、会はスタート。
交わされる歓談、にこやかな笑顔…。
「あれ?おかしいな」私は、なんだか調子が出ません。
会はあくまで上品に進行し、
“ウフフ”“アハハ”なんて笑い声がこだまし、
なんというかパンチにかける。
当然、服を脱ぎはじめる人もおらず、
「場違いなところに入社してしまったのではないか...」
という不安が私の頭をよぎりました。

と、その時でした。“ガツン!”という
大きな音が店内に響いたのです。
びっくりしてその音のほうに目を向けると、
髪の長い女性がテーブルに突っ伏していました。
ピクリとも動かないその女性。
「あの大きな音は、多分テーブルに頭をぶつけた音だよな…」
しかし、どぎまぎする私をよそに、
周囲にいた人々は涼しい顔であの一連の作業をテキパキと行いながら、
その女性を送り出しました。
聞くと彼女は毎回、飲み会のあとには傷をつくっているとかなんとか…。
もちろんその髪の長い女性が、大友さんです。

その後、その会で男祭りが始まることはなく和やかに終了したものの、
私は大友さんの余韻に浸り、あんな状態でタクシーに乗せちゃうなんて
この会社の人たちもなかなか豪快だなと思いながら、なぜかホッと一安心し、
「とりあえず、この会社で頑張っていこう」と、
よくわからないタイミングで決意をしたのでした。

あの4月から、もうすぐ4年。
桜の時期が巡ってきます。
サン・アドで、酔って脱ぐ仲間も若干ながらできました
(大友さんはレディーなので脱ぎません。もちろん私も)。

◎ふだん、私は趣味でDJをやっているので、
毎回コラムの最後に1曲、音楽を紹介していこうと思います。

今日の1曲は・・・ 「Drunk Girls/LCD Soundsystem」

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年月日
名前
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