リレーコラムについて

ボラ話④ ボランティアの顔って…

村田圭誉

「見た?テレビ!あんた出てたよ。仙台放送!」
すこし興奮気味に話す宮城の母から電話があったのは、ボランティアから戻って
2、3日経った頃。お母さん、わざわざ連絡ありがとう。
でも、残念ながら見ることができなかったんだ。それ、ローカル番組だから。

季節は、秋。テレビ取材を受けた場所は、慢性的ボランティア不足の山元町。
ちょうど立入禁止区域が解除された頃で、さらにニーズ(町民からの依頼)が
急増していた。それとは逆に、震災直後から大勢のボランティアが訪れた
ほかのボランティアセンターでは、早々にニーズが減少。
これまでのように毎日、個人でも団体でも受け入れる、という体制から、
活動日を減らす、団体のみを受け入れる、という新体制に移行していた。
こうした変化をボランティアとしてどう思うか。それが、取材の趣旨だった。

昼頃到着したテレビクルーからは、ずっと逃げていた。が、活動終了間際に
つかまってしまう。顔出しするとマズイわけではない。記憶が正しければ、
最近、犯罪に加担したこともない。いや、昔からない。
ただ、その日は人手不足だったせいで、もう疲れきっちゃってヘロヘロ。
申し訳ないけど、取材されるのがおっくうで…。

取材に対しては、確か、自分の都合にあわせて参加できる今の体制のほうが
助かる。それと、個人の受け入れをやめたら、ますますボランティア不足になる。
といったことを、精いっぱいマジメな顔をして、5分くらい話した。
その顔が汗だくで、泥や粉塵がビッシリこびりついていることも忘れて。

「それで、どれくらい映ってた?」
「もうねえ、ずっとアップで。他の人たちより、ものすごく長く話していたよ。」
「えっ、アップ? じゃあ、顔、ひどかったでしょ。」
「………………」
「いや、顔がさ、」
「あ、そうそう、それでね、話は違うんだけど…」

母は、それほど耳が遠いわけではない。なのに、シカト。でも、これって、
母の愛ってヤツですよね。そんなにひどかったんですね、オレの顔。

その後、何度も行くことになる山元町も、昨年末からは団体を中心とした
受け入れ体制に。そこで、熱心な個人ボランティアたちは
連絡を取り合い、毎週末、ひとつの団体として活動。
ほとんど個人で活動している自分も、行く時は、そこにまぜてもらっている。
毎週行けないし、体力ないし、ひどい顔でテレビに出ちゃったヤツだけど…。
ああ、ローカルでよかった。

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