リレーコラムについて

「3ヶ月」

武藤多恵

日曜午後の銀座は、いつもと違った「気」
につつまれます。
平日は、スーツ姿のビジネスマンや、制服
のOLさんが急ぎ足で行き交う。夕方にな
ると、髪をアップにして「戦闘服」(着物
。迷彩服じゃないですよ)に身をつつんだ
お姉さま方が、芳香を漂わせながら出勤し
てくる。早朝から深夜まで、この町は「活
気」でいっぱい。
でも休日は、カップルやファミリー、お友
だち連れで散歩する人ばかり。ほわ〜んと
した空気に満ちています。どちらの銀座も
私は、好きです。

さて、本題に入ります。
先日、カンヌ国際広告祭の入賞作品勉強会
に行きました。たくさん見た中で、「EP
OCA MAGAZINE」のCM(ブラ
ジル)は印象的でした。
「1週間」の持つ意味を、様々な角度から
見せるというもので、例えば「お金持ちに
とっては、7つのディナー」「宇宙にとっ
ては、ほんの一瞬」。そして、EPOCA
にとっては「それら全部」、というもので
した。
時間の単位で、私が最近、気になっている
のは「3ヶ月」。「3ヶ月で、人間って変
わるんだなぁ」と、実感することが多いか
らです。
たとえば・・・。

?英語が話せるようになった。

英語で取材することがあるんです、私。
不安なので、通訳の方に補助していただい
ていたんですが、毎回お願いするわけにも
いきません。それで、今年の7月から9月
まで、クライアントの英語学校に週2回、
夜、通いました。
最初はドキドキしました。何せ、大学を出
てから10年、英語はほとんど使っていま
せんでしたから。
でも、今は大丈夫。次の取材は自力ででき
そうな予感がする(たぶん)。
私だけでなく、同じクラスの3人も、夏休
み明けにはちゃんと話せるようになってい
たので、驚きました。

?アゴが細くなった。

整形はしてません。顔の洗い方を変えたん
です。
眉をちゃんと描けるようになりたい。そう
思った私は、今年の2月から4月まで、メ
イクのスクールに通いました。
命拾いをしてからというもの、私の生活信
条は、「やりたいことは全部、すぐやって
みる」なのです。
そのスクールは「メイクの方法だけではな
く、土台である身体も変えましょう」とい
うポリシーを持っていて、姿勢や呼吸、歩
き方まで仕込まれました。
教えの中には「洗顔の時もメイクの時も、
頬に触れる手は下から上へ動かす」という
のがありました。たるんだ頬があがって、
顔の輪郭が変わります、と。
うっそ〜。と思っていたんですが、3ヶ月
後、「何をしたのか」「どうしたらそうな
るのか」はたまた「いくらで(整形)した
の?」というお問い合わせまでいただきま
して。
あまりの反響の大きさに、本人が一番、び
っくりしました。

?9キロやせた。

2年前、初めて人間ドックに行きました。
ええ、飲みました。白くて重量感のある、
「バリウム」。効きました。
何がって・・・。
お食事中の方は、どうか済ませてから、続
きをお読みください。コラムは逃げません
ので。
バリウムって、それを飲んだだけでも、お
腹が壊れることがあるんですね。私は特に
体質的に、合わないみたいなんです。
さらに不幸なことにドックの次の日、山の
中で一日中ロケ、という仕事が入っていま
して。つらかったです。それで、絶食しま
した、2日間。そしたら、あれよあれよと
いう間に5キロ、やせました。
私、その前に事故に遭って、自宅療養して
いたら太ってしまって。ずっと気になって
いたから、そのままダイエットに突入。
といっても、夜9時前に夕食をとる、間食
しない、甘い飲み物は控える、くらいです
が。
で、3ヵ月後にトータル9キロ、やせてま
した。1キロのコメ袋9個分の脂肪が、こ
の身体のどこについていたのか。そしてそ
れは、どこへ行ったのか。今でも謎です。
(医師の知人に話したら、危ないってしか
られました。なので絶対に、真似しないで
くださいね)

他にも、「ホームページを自分でつくれる
ようになった」(これもスクールに通いま
した)、「3ヶ月前に知り合った人と、入
籍した」(いえ、私ではなくお友だちが)
とか。1日とか1週間、という単位ではで
きなくても、気づかなくても。3ヶ月あれ
ばできること、変わることって意外と多い
んだなあ、と感じています。
そして、たった1ミリでもいい。理想に近
づく「3ヶ月」を積み重ねて、生きていき
たいなあ、とも。
時間は無尽蔵なものと、勘違いしていまし
た。でも、私の人生なんて、宇宙の中では
「一瞬」。でもその瞬間を、可能な限り、
強い光を放って生き抜きたい。
そう考えると今、こうしている間にも流れ
ていく私の「時間」が愛しく、大切なもの
に思えてくるのです。

さて、私のコラムは今日でおしまいです。
火曜日の午後1時半、「コラム書いてね」
という連絡を、運営委員の方からいただき
ました。20分後に「武藤さん、よろしく
」という書き込みをここで見つけた時には
もう、心臓バクバクものでした。
でも、掲示板のwaterさんはじめ、た
くさんの方に励ましていただいて、何とか
今日まで書くことができました。
ありがとうございました。
大好きな川久保玲さんや、山本里美さんの
服のこと。今読んでいる「ハリー・ポッタ
ー」のこと(私は子どもの頃、空飛んでま
した。毎晩、夢の中で)。まだまだ書きた
いことはあるのですが、それはいつかどこ
かで、また。

来週は、眞木準企画室の忽那治郎(こつな
じろう)くんが登場します。新人賞の、同
期です。彼の代表作は「カタカナですが、
職人です。」コピーライター養成講座の広
告です。「これを書いた人は、いいひとに
違いない」と思っていたら、こつなくんは
ホントに、穏やかで優しそうな人でした。
どうぞ、お楽しみに。

  • 年  月から   年  月まで