リレーコラムについて

ヘンなおじさん(思春期)

尾崎敬久

みなさん、こんにちは。
電通中部支社の尾崎です。
いま39歳で、今年の6月には40歳。
もう立派なおじさんですが、どこかヘン。

そうです、私がヘンなおじさんです。

ヘンなおじさんは、ヘンな思春期を送っていました。

あれは中学2年生のとき。
僕は今で言う引きこもりの状態で、
学校にも行かず毎日部屋でゴロゴロしていました。
ちょうど時期を同じくして家のベランダが腐ってしまい、
(当時のベランダは床の部分が木でできていたのです)
新しいベランダに改修するため、
ふたりの大工さんが毎日家にやってきました。

大工さんたちは、かなりのスモーカーでした。

母が用意したガラスの灰皿は、
いつも吸い殻でいっぱいになりました。
僕はその吸い殻を眺めては、

「タバコってどんな味がするんだろう」

と、ゴロゴロしながら興味を抱いていました。
ここで、一般的な不良なら、おそらく自分でタバコを買いに行くでしょう。
でも僕に、その行動力はありませんでした。
まあ、引きこもっていたわけだし。
でも思春期だし。
ちょっと吸ってみたいじゃないですか。
でも買いにいけないじゃないですか。
だからって大工さんにもらうわけにもいかないじゃないですか。

ある日の夕方。
大工さんたちは帰り、
母は夕食の買い物に出かけ、
家の中には僕一人。
そして目の前には、山盛りの吸い殻・・・。

シュッ。

僕は火を付けました。
僕は煙を吸い込みました。
そして僕は、ゲッホゲッホとむせました。

初めてのタバコは、大工さんのシケモク。
初めてのキッスは、大工さんとの間接キッス。
なんていうか、まさに、ほろ苦い思い出。

あの、僕、ヘンですか。
そうです、私がヘンなおじさんです。

だっふんだ。

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