リレーコラムについて

リーマンショックショック」

横森祐治

男、女、男の3人兄弟の長男として生まれ、
社内結婚した嫁との間に息子ができた、
横森祐治です。

いまさらですがあの話。

2008年秋のリーマンブラザーズの破綻。
まさか身の回りにも、日本にも、自分にも、
こんなに影響があるとは思わなかった。

去年の冬。実家に帰省していた妹からの電話がきた。
「お兄ちゃん、お父さんがヤバいんだけど」
たしか平日の23時くらいだっただろうか。何事か?と思ったら、
「証券会社の営業マンの言うままに買っていた証券が、
あっという間に買い値の半額になっちゃった」という、
わが家にとっては大きなニュースだった。

「まあ、こうなってるのウチだけじゃねーから」。
オヤジのまるで他人事のようなコメント。
こっちは、毎朝、毎晩、汗水たらして働き、
息子のオムツ代にも、メシ代にも(嫁が)苦労しているというのに。。。

ともあれビックリしたのは、
リーマンブラザーズの問題が、
わが家にも飛び火していたこと!
こんなとこまで!?すごい影響力だな、と。

でも。まあわが家の問題は、
オヤジの責任だからしょうがないとして。

もっと大きな話としてショックだったのは、
予想を上回る日本の会社や社会への影響の大きさ。

日本でトップの自動車会社がようやく、というかはじめて、
世界でトップの売上台数を達成したのに、あろうことか、
日本でトップクラスの赤字決算になってしまったこと。
はじめての世界一。なのにそれが、はじめての大赤字。

「なんでだろう?」

単純にそう思った。
他社以上のコスト削減、効率化、努力をしているはずなのに。
円高など為替の問題や、売り上げにおける海外のシェアの問題があるという。
でも、経済や金融にはくわしくない自分なんかが思うのは、

「なんかの根本が相当おかしくないか?」ということ。

すごくたくさんの優秀な社員がすごく一生懸命働いて、
その結果が赤字だなんて、普通に考えたらやってられない。

為替の変動で、まともには働いている社員、
まともに経営している会社がすごいダメージを受けゃうなら、
為替なんてもう一度固定すればいんじゃないの?と思う。

それは、ひとつの企業を守るためではなく
そこで働くひとりひとりの働くモチベーションを守るために。

やっぱり、がんばっている人が報われる
より公平なルールが絶対に必要だと思う。

うちの会社の仕事も減っている。
企画を持っていく営業がクライアントさんに言われるらしい。
「何持ってきてるの?いまのうちの状況わかってるよね?」と。
担当させてもらっているクライアントでも出稿がなくなった。

こういうときこそががんばりどころ、
力のみせどころなんだろうとも思う。

このとき以来特に思うのは、
経済や政治って意外と想像以上に自分たちの
仕事や生活と関わっているんだなあ、ということ。

リーマンブラザーズの人のバカヤロー。
オレたちはより自由でより公平なルールを探すぜ。

お金持ちも、普通の人も、貧しい人も、都会の人も、田舎の人も
なるべく多くの人がこのルールがいいねというルール。
資本主義だって共産主義や社会主義よりベターな制度でしかない。

まだまだ不景気はつづきそうです。

村上龍さんがが書いていた。(と思う)
いま必要なのは、景気の回復じゃない。
価値観の大きな変化であると。
すんごく、うなずけた。

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