リレーコラムについて

松枝真二の話

左俊幸

はじめまして。電通九州の左です。

僕は非常に顔が濃いせいか、酒が強いと思われがちです。
が、それは見掛け倒しもいいところで、体質的な問題があり一滴も飲めません。
ちょっと飲んだだけで確実に吐きます。しかも飲んだ直後にすぐ吐きます。
「ウイスキーボンボン」や「おとそ」ですら、僕には凶器にしか見えません。

今日はそんな情けない僕が尊敬する高校時代の友人、マツエダの話をしようと思います。

マツエダは普段はシャイで男っぽく、非常にいい奴なのですが、
とんでもない酒豪で、飲んだらかなりの確率でレジェンドを作ります。
今回はその中でもかなりひどかったレジェンドをご紹介致します。

あれは8年前の寒い寒い寒い夜でした。確か年末だったと思います。

高校時代に仲が良かったメンバー5人で、
久々に地元(広島県福山市)に集まって居酒屋で酒を飲み(僕はコーラを飲み)、
当時まだ社会人になったばかりだった僕たちは、
仕事に関するけっこう熱い話をしたり、夢を語り合ったり、政治について議論したり、
というようなことは一切せず、
エロ話で盛り上がったり、エロ話で盛り上がったり、エロ話で盛り上がったりで、
1次会はかなりのテンションで幕を閉じたのでした。

事件は2件目の店に車で向かう途中に起きました。
普段離れ離れの友人達と久々に会って楽しかったせいか、マツエダはすでに泥酔状態で、
車内で大声で叫んだり、突然全力で、しかもグーで思いっきり殴ってきたり、
運転している友人の両目を突然後ろから手で押さえ、事故を誘発しようとしたり、
それで本当に事故りそうになったりと、まあ、もう、やりたい放題でした。

が、しばらくすると大人しくなり、みんな「やれやれ」と思っていたのですが、
マツエダは急に叫びました。

「車を止めろぉぉぉ!!ワシはションベンをするぞぉぉぉ!!」

そして仕方なく車が止まると、マツエダはものすごい勢いで降り、
そのまま全力疾走で近くの森の中に消えていきました。

ところが15分ぐらいたってもマツエダは帰ってきません。

冒頭にも申し上げましたが、この日はとんでもなく寒い日で、
ダウンジャケットを着て暖房を入れた車の中にいても、なお寒い、みたいな状態でした。

このくそ寒いのに大丈夫か、どこかで寝てるんじゃないか、
マジでやばくないか、探しに行くか、寝てたら死んでもおかしくない寒さだぞ、
でもアイツ帰ってきたらまた暴れるぞ、そうなったらマジで事故るかもしれないぞ、
事故ったらみんな死ぬかもしれないぞ、だったら置き去りにした方が死者が少ないぞ、
などとバカ同士の不毛な話し合いが終盤に差し掛かってきていた、まさにそのとき、
なにやら全力疾走でこっちに走ってくる男が見えました。

その男はものすごい勢いで走ってきます。
でも、僕らは、その男がまさかマツエダだとは思いませんでした。
しかしその男は、僕らの車に勢いよく乗り込んできました。マツエダでした。

戻ってきたマツエダに、さっきまでのテンションは全く見当たりませんでした。
マツエダは痙攣を起こしたかのようにガタガタ震えながら、「寒い」を連発してました。

それは寒いはずです。
だってダウンジャケットを着て暖房を入れた車の中にいる僕らですら寒いのです。

マツエダは、全裸でした。

そのあとマツエダにどこでションベンをしたのか(服を脱いだのか)を問いただし、
全裸のマツエダを連れてみんなでその森の中に入っていきました。
しかしそこには服はなく、問いただそうとしてマツエダを見ると、
彼は立ったまま木にもたれて眠ってしまっており、僕らは途方に暮れたのでした・・・・・。

後日談としてひとついい話をすると、
マツエダの酒癖も、結婚した頃から徐々に落ち着き、今年の7月には長女が生まれます。
結婚5年目にして、ようやく待望の子供の誕生です。
聞いた話だと、女の子はちょっとしたことで
父親のことを大嫌いになったりすることがあるらしいので、
このコラムが将来、マツエダの娘の目に触れないことを心から祈りつつ、
筆を置きたいと思います。

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