リレーコラムについて

加齢なる一行

高橋健一

オッサンにならなきゃ書けないコピーがある。
そう実感しました。

きっかけは、住宅ローン。
一戸建てが欲しくなって、住宅ローンの勉強をしてみたのです。
ほんとうに驚きました。
金利が想像以上で。

私が読んだ本「家を買いたくなったら(wave出版)」に載っていた、
シミュレーションをざっくり書いてみます。

頭金500万円、借入額3500万円、35年ローンの場合。
返済総額61,608,540円。そのうち金利分が26,608,540円。

頭金1000万円、借入額3000万円、35年ローンの場合。
返済総額52,807,440円。そのうち金利分が22,807,440円。

金利としてもっていかれるお金は、約2200万円〜2700万円。
東京で家を建てるなら、もっともっとお金がかかるので、
金利はぐいぐいアップします。
金利だけで、郊外にマンションが買えるくらいの額になります。

そりゃあ、世の中のお父様方は、
少ないお小遣いでやりくりするために、
ランチ代を切り詰めます。

私は今まで、ランチを切り詰めてまで節約している
お父様方の背中がさみしく見ていました。
でも最近は、家族を支える男の愛しい姿に見えるように変わりました。

思い返せば、私が小学生のとき、父は家を買いました。
ほとんど毎日酒を飲んで帰ってくる父でしたが、
ちゃんと将来のことを考えて働いて
貯金していたのだなと思い、男として見直しました。
母も、一時期パートに行っていました。
私はお金がかかる子どもだったから、
家計を守るのはたいへんだったでしょう。

家族を思い働く男の責任、
いっしょにがんばる妻(母)の愛情。
それを、自分がその年齢、その立場になって、
はじめて心の奥で感じられました。
この気持ち、コピーにぜったい影響してくると思います。

まだまだ、オッサン初心者。
心でなく、頭で理解していることばかり。
いつか、皺が刻まれたような味わい深いコピーを書けるようになりたい。

あ、そうそう、近ごろの私は、
宝くじを本気で当てたい人の気持ちもわかるようになりました。

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