リレーコラムについて

人をバカって言うやつがバカ

佐藤義浩

こんにちは。佐藤義浩です。
この時期になると、ウチの会社に入ってきた新人も、
配属先が決まって、いろいろ専門的な研修を受け始めます。
この歳になると、けっこうそういう研修の講師とかやらされるのですが、
そういうとき、多くの新人は目をキラキラ輝かせて、
「これからどういうことに気をつけて勉強すればいいんでしょうか。」
と言います。これは、翻訳すると、
「どういうタイプの人が成功するんですか?」という意味で、
もっと本音に迫ると、「どうすれば一流になれますか?」
という祈りだったりします。

まずは、自分がホントにこの仕事に向いてるんだろうか、って
誰でもそう思いますよね。この業界で成功してる人って、
なんかどっか変わった人みたいだし、
自分もやっぱりそういうふうに特別になんないといけないんだろうな。
みたいな…。

だけどホントに優秀な人って、何年たっても
そのまんま素人みたいなこと考えていられる人なんですよね。

毎日おんなじこと書いてますけど、
世の中にはいろんな年齢の、いろんなタイプの人がいます。
人が何を欲しいか、とか、何をおもしろいと思うのか、とか、
そういうことが思いつくためには、自分が同じレベルにいないと無理です。
もちろん、最終的にモノにするのはプロの技でなんですけど、
最初の思いつきは技術だけではできない。
いかにそのへんの普通の感覚を持ってられるかが勝負です。

入ったばっかの新人が、妙に自分はプロなんだ、人とは違うんだ、
と気張っていると浮いちゃいます。すべっちゃいますね〜。

会社に入ったばっか、ということは、
ずっと会社にいるボクらよりも、実は生活に近いところにいて、
仕事ばっかりして、テレビ見る暇もないボクらよりよっぽど有利。
今、自分が感じてることをそのまま企画にすれば、
そのまま共感を得ることができます。

自分のことを考えてみても、
新人のころはそのへんを考えるのがすごくカンタンで、
なんか普通にやってたら、なぜか褒められちゃった、
ということがよくありました。

だけどそのうち、特にこういう「普通じゃない」会社にいると
普通に普通のことを考えることがむずかしくなっていきます。
あれ、なんか企画できなくなってきた。でもなんでなのかわからん…。

誰かの下についていて、こういうのは若い人的にはどうなの?
と言われてるうちはいいけど、まあ仕事はそれでじゃないから、
自分とは全く縁のない、洗剤だの、銀行だの、生理用品だの…
そういうモノの、しかも細かいスペックとか書いてると、
何が人の心に響くのか、わかんなくなってくる。
そのうち、わかんないってヤバいってことも感じなくなってくる…。
それが一番、ヤバいんですけどね。

人にモノを伝えていると、そんな自分が
それを聞く人よりエライと錯覚したりして、
だってみんなバカなんだもん。と思いはじめたりします。

確かに不特定多数を相手にしていると考えると、
その人たちの理解力には、かなりの幅があります。
その中のどこに当てていくか、となると、やっぱり下のほうを見ないといけない。
ね。やっぱサルでもわかるようにしなきゃダメなんでしょ。と思う。

そういう幅がある、と認識していることは大切。
むずかしすぎてわけがわかんないものでは、ダメです。
だけど、バカにしてはいけない。

バカだと思う。しかしバカにしてはいけない。

これってテレビのお笑い番組で成功する方法と似ているような気がします。
見た目バカに見えても、ホントにバカじゃあ生き残れない。
かと言って、こいつバカの振りしてるってわかっちゃう人は笑えない。

どうすれば一流になれますか。という質問に対しては、
普通を操れる人。というふうに答えます。
ずっと普通でいること。これは簡単そうに思いますが、すごくむずかしいこと。
一流の人がこれだけ少ないのが、その証拠です。

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