リレーコラムについて

小学校で授業をしたが、小学校に教えてもらった。

藤崎実

今日は品川にあるT小学校の卒業式。

この小学校に「もったいないカレンダー」を
寄付したことがきっかけで、
先週、3年生の授業をしました。

  ◆◆

広告コミュニケーションで培ったノウハウを
教育の場で生かせないか。

その構想は以前から温めてきたものですが、
今回は「もったいない」をテーマとした授業でした。

  ◆◆

T小学校は子供と社会との接点を、
学校という場で実現しようとしている学校です。

みんなでアイマスクをつけ、
車椅子に乗って街に出るバリアフリー体験。
お金をどう使うかのシュミレーション授業など。

お花見会も普通とは違います。
子供たちは校庭でサッカー大会。
大人たちは校庭を囲むようにシートを引き宴会。
これは子供たちにお酒の席を教える、という意図があるそうです。

海外からの音楽公演。
テレビ局のアナウンサーによる授業。
もちろん一般企業からの授業受け入れにも積極的です。

海外からも多数の視察団が来校。
学校での環境活動もかなりのレベルです。

 ◆◆

どうしてこんなにユニークで自由な教育が実現しているのか。
その秘密を知りたいと思ったのですが、
寄付のために初めて学校に行った時、すぐに理由がわかりました。

校長先生なのです。
全ては校長先生の方針なのです。

象徴的なのは、校長室の位置です。
あくまで記憶ですが、
僕が通っていた小学校では
校長室は奥まった場所にあったはず。

しかしT小学校の校長室は校庭に面した、
子供たちがよく見える場所にあります。
しかも机は窓際にあるので、まさに特等席。
実際に子供たちが外から「校長先生〜!」などと
手を振ってきたりします。
こんなあたたかい光景に出会えるなんて、かなりの衝撃です。

  ◆◆

僕たちを理科室に案内した校長先生は、
「これ、何だと思います?」と水槽を指差しました。

「いくらです。いくらを孵化させて稚魚にしたんです。
で、今度の土曜日に多摩川へみんなで放流に行くんです。」

ニコニコ笑う校長先生。
すごすぎです。

 ◆◆

学校の運営方針は教育委員会が立てている、
というのは大いなる誤解で、
実際は校長先生の方針で決まる、
というのはものすごい発見でした。

つまり普通に運営していくだけだったら、
(それはそれで大変だと思いますが)アイディアはいらない。

でもそれ以上。もしくは理想を実現しようとすると
アイディアや実行力が必要となる。

実際、校長先生は精力的に学校の中を歩き回り、
子供たちからは大人気でした。

 ◆◆

全ては考え方。
考え方ひとつで全てが変わる。

小学校で授業をしましたが、
大切なことを教えてもらったのは、僕のほうでした。

※「もったいないカレンダー」の詳細は以下をぜひ!
  www.yomiko-design.com/concept.html

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