リレーコラムについて

アイデアを通すためのアイデア (4)「駄目押し」篇

國武秀典

「お茶の間に届くCM、届かないCM」とは?
前回で書いた実体験クイズを通して、クライアントさんの頭の中には
正しいCMのあり方意識が芽生え始めています。
・自慢・手前味噌広告は記憶に残らない。
・1CM=ワンメッセージの徹底、情報を欲張りすぎると却って何も伝わらない。
・チャーミングで人間的なもの、ユニークなものにお茶の間は注目し共感をおぼえる・・・

さて、いよいよ企画の提案です。
いやいや、さらに駄目を押します。
題して「こんなCMは届かない、企画例」
「ここでご提案する企画はやってはいけない例です。もう実体験されてお分かりだと思い
ますが、企業の一方的な言いたいことを詰め込み、自らのポリシーを謳い上げ陶酔する。
自画自賛ごとをお客様第一主義にすりかえたコピー、耳障りの良い語り口、そして情感に
訴えるBGM…企業にとっては満足でも視聴者にとっては不快です。企業名こそ出しま
せんが世の中にはびこっているCMのスタイルです。絶対に止めましょう誰も見ません。
決してやってはいけないCMのご提案2方向です…」

きちんと絵コンテを作りご丁寧にダメな理由の企画意図もつけて説明します。
いかにもありそうな企画、誰もが考えそうな典型的な企画を皮肉タップリに企画・表現し、
先回りしてこちらからダメCMの提案を先にして潰してしまうのです。

例えば海苔メーカーの企画案です(絵コンテはお見せできませんが)
「パッケージ」篇。
パッケージには言いたいことの全てが書いてある、ということを逆手にとって
商品の顔であるパッケージをそのまま接写して撮影します。15秒の中で
できるだけ多くの商品特性を詰め込むことが可能です…。
一見アイデアがあるようで言いたいことすべてを網羅されているように見えますが、
視聴者にしてみれば一方的な詰め込み型広告。記憶にとどめることはおろか嫌悪感、
生理的にも相容れません。
「こだわり」篇。
丹念に作られた商品の生産過程をじっくりと見せていきます。ひとつひとつ
人の手によって作られた海苔。開発意図の「うまみ、やわらかさ、ツヤが違う」など
差別化し、こだわりのメッセージを込めていきます…。
一見海苔のおいしさや高級感、誠実な企業姿勢などメッセージしたいことが
きちんと網羅されているような気がします…が、このような企業の一方的な
押し付けメッセージ・自己満足は視聴者にとっては退屈で見向きもしてくれません。
私はこれを「匠・自己満足」篇と呼んでいます…。

ここまでするか、というしつこさと熱意が大切なのです。
「わかった、じゃ君が作りたいのはどんなCMなんだ。聞こうじゃないか」
という雰囲気になります。
すべての準備が整いました。
ここからは自分のやりたい企画案を思う存分にプレゼンしてください。

確かに・・・
面倒くさいし、現実問題限られたプレゼン時間でこんな時間はとれない
という声もあるでしょう。
同じクライアントに毎回これをやっても失礼な話です。
しかし、営業に理解を得て広報部さんとの勉強会を設けることは可能だと思います。
私の体験上、これをやるやらないのとでは大きく結果が違ってきました。

明日は
アイデアを通すためのアイデア (5)「総括」篇について書きます。

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