リレーコラムについて

オレオレ69’

平石洋介

僕は広告をつくるのが仕事ですが、
この前、僕の広告をつくりました。

もちろん初めての事で、それ、
コピー年鑑2005の521頁にこっそり掲載中。
商品「オレ」って、難しかった。
しかも何より恥ずかしいんだけど、まあ「広告」だから。

そんな僕ちゃん、
そもそも電通入るとき何をやってる会社か、よくわかってなかった。
今みたいなネット情報社会じゃなかったし、
映画「就職戦線異状なし」の主人公・織田裕二の気分で、
どこかゲーム感覚で就職活動をしていた最後のバブル世代。
で、今は湾岸にある某放送局と電通、2つのカードが残り、
よくわからないからこそ面白そうだ、という、
悩んだわりには安易な理由で電通というカードを引いただけ。

そんな程度だから、入社後の配属もテレビ局とか
なんとなくダイナミックで派手そうなところが第一希望。
それで営業以外ならどこでもいいと言っていたら、辞令は東京本社“営業統括局”。
ただし、営業はCRやマーケとは比べ物にならないほど責任が重く、
経験が必要な仕事である(ホンマか?)とされていて、
営業配属の新入社員は全員、一旦マーケで修行し、
1年後に営業に出るというシステムだった。

当時のマーケというのは平和な部署で、なにせ社員旅行があった。
夜、修学旅行のような枕投げはないにせよ、みんなで車座になって語る。
僕らと同じように1年だけマーケにいて営業に出た先輩たちもやってきて、
その全員がクリエーティブの悪口を言っていたのを覚えている。
あいつらは世間知らずの甘ったれだ、みたいなことだった。
(翌年には僕も、同じ話をマーケの後輩に語っていたりして。)

ほどなく予定通り営業に異動するわけだが、
その後の事はあと1万字書いても足りないのでここでは割愛する。
ただ、今僕が乗っているクリエーティブという船が浮かんでいる、
その海の不気味な深さと遥かな広さを知った、
とでも言いましょうか。

そして数年経つうちに、
僕にはマーケ、そして営業をやる能力がない、ということを悟った。
特に営業は、広告代理店のほぼすべての領域に関わり、
ありとあらゆる問題を責任を持って解決していかなきゃいけないから、
そんなオールマイティーな能力がない僕には、どうにもこなせない。
もちろん、適当でもやっていけるし、そんな輩もいっぱいいたけど、
そんな人生楽しくない。
だから合コンばっかりして、あ、それはもういいか。

そのころ、ヨーロッパあたりでメディアプランナーという職種が誕生した。
日本の広告界の盟主たる電通さんは、当然その分野でもリーダーたらんとし、
早速メディアプランニング部というセクションをつくる。
そして社内のマーケや営業や媒体部門から、“兼任”という形で人員を集めた。
いきなり大量の社員を本当に異動させるのは無理だからだ。
で、僕もそんな1人として、半年の期間限定で「メディアプランニング部」に
席を置くことになったのだ。
そのまま今に至れば、カンヌのメディアライオンでも目指していたことだろう。

営業では、同時に担当するクライアントはせいぜい2〜3社だったが、
その兼任の半年間、僕はなんちゃってメディアプランナーとして、
実に様々な業種の様々なクライアントのプレゼンに出席した。
これは新鮮な経験だった。
そこでは、たいていクリエーティブのプレゼンも一緒にやるから、
僕はやはりいろんなクリエーティブプレゼンを沢山、間近で見る事ができた。

いくつもいくつも、クリエーティブのプレゼンを見ているうちに、
それを楽しみながらも、ある思いが頭をかすめるようになった。
それは禁断の扉、決して口に出してはいけない危険思想。
それでも、天使のような悪魔の声が、僕の心の中でこだまする。
「オレノホウガ面白インジャナイノ?」

それを言っちゃあ、いかんのであります。
クリエーティブの人たちも、いろんな制約や事情の中でやっているのだから、
そんなこと言っちゃいかんのです。
ていうか、ただの勘違いに決まっている。
調子に乗るな、H(本名)!

しかし、その後また営業に戻ってしばらくしても、
その勘違いは完全には消えなかった。
さらに、自分はマーケにも営業にも向いていない、
という例の結論も消えなかった。
すると必然的に…

この後は、
コラムNO.1705「ボクコピーライター?のプロジェクトXvol6.」へと
つながっていく。

まるでスターウオーズのような壮大な輪廻が見えた所で、
このコラムシリーズを終えたいと思います。
コラムというか雑文、失礼しました。ありがとうございました。
未だ見ぬあなたと、一緒に仕事とかできたら面白いですね。
例えば博報堂のクリエーティブの人と仕事したら、それだけで面白い。
メーカーのOEM供給があるんだから、そんなのもやろうと思えばありかもよ、
これからの時代は。

さて、次回からはこの方。
海外の様々な広告賞の審査員としても活躍し、
dentsuといえばOH!MASAKO!といわれる有名人、
岡村雅子CDにお願いします。
ご多忙にも関わらず、引き受けて頂きましたよ、世界のみんな!
オーイエー!チェキラー!
COOLでHOTなシスターCDの岡村さん、よろしくお願いします!

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