リレーコラムについて

セルキー君の挫折

加藤麻司

セルキー君の冒険と題して、いろんなものがない国を
めぐるつもりでしたが、嵐で船が座礁してしまいました。
いきなりですが、あとがきを書きますね。

僕は、イスラムの国を旅してからすこしだけ価値観が
変わりました。いままで世界共通の常識だと思っていたことが、
あっち側ではそうではないことを知りました。

例えば、ほんとに定価がないんです。
欲しい!っていった途端、べらぼうに値段が上がる。
自衛隊がイラクで駐屯地を借りるのに、
何億円も請求されたのも同じ理屈です。
でも、彼らにはだましてるとか、吹っかけてるとか
そんな感覚はまったくないんですね。悪気が一切ない。
欲しいなら高くても欲しいはずだろう、
これを全国民が践しているんです。
人類が始めてお金で購入したものがマンモスの肉だとしたら、
彼らのいいぶんのほうが正しい気がしたりして。

自分が信じてる世界共通って、じつは多数決なんじゃないか。
そう考えると、それをどんどん壊してみたくなる。
例えば、時間とか、メートルとかっていう単位をなくしてみたい。
1mが1歩だったり、1秒が1あくびだったり、
人によってまちまちの単位があってもいいんじゃないか。
なんてことも考えたりして。

空想はふくらんで、性別もなくちゃえ。
男と女では考え方が捉え方がちがいますよね。
広告をつくるときも受け手の性別を気にしてみたり。
性別が1つだったら(それでも子孫が残せるとしたら)
価値観ってどう変わるだろう。そんな馬鹿なことを
考えることがあります。

人間共通の価値観ってなんだろう。言葉も通じない相手に
気持ちを伝えられるだろうか。心を動かすことができるだろうか。
逆に人類共通の価値観から見て、どんなことがドメスティックなんだろう。
そこには文化とか時代とかも関係してきて、
それを利用してメッセージを作れないかなとも思います。

まあたわごとですね。飲む、打つ、買う、という
きっと人類共通?の価値観の中で、飲むががからっきしだめな
僕のコンプレックスかもしれません。

TCC事務局の佐藤さんのおかげで、
来週はリクルートコミュニケーションズの篠原茂さんが
バトンを受け取ってくれることになりました。
まだメールでしか連絡をとりあっていませんが、
文章からするに、すごーくやさしそうな方です。
読者のみなさま、今週はご迷惑をおかけしました。

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